ー奇談ー學校へ行こう3

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「揺光。」

揺光【なんじゃらほい?】

悠「大事な話がある。」

ガタン!
亘理『なんですと!』

揺光【ほほう。なんじゃ、愛の告白かえ?少し待て、妾にも心の準備というものがな】

亘理『ボインか!ボインがいいのか!それとも尻尾か!あのふさふさモフモフがええんか!悠のすけべー!』

悠「やかましい!ちゃうわ!」

雨「……王手」

摩耶「むっ……やるねぇ。」

花描「蚊帳の外だな」

要「みんな興味ないんだな」

なのは「告白……素敵なの」

要「悠はダメだぞ!お兄さん認めませんからね!」

灼羅「それで何が大事な話なんじゃ」

天空音「興味津々です」

悠「ああ、揺光。梔姉さんから片羽ノ芦を奪ったろ」
灼羅「片羽ノ芦!?」

雨「片羽ノ芦!?」

亘理『かたあし?』

灼羅「違う!」
雨「違う!」

亘理『す、ステレオで怒らないでよ……。それで、カタハノアシって誰の足?』

灼羅「足ではなく芦じゃ。」

雨「妖刀として名高い刀よ。」

揺光【人聞きの悪い。妾は奪ってはおらん。ミナゴロシ丸の癇癪を収めてやる代わりの報酬に戴いたのじゃ】

摩耶「なんだか、物騒な名前が出てきたね。」

悠「片羽ノ芦。返してくれないか?」

揺光【あのひと振りは気に入っとるんじゃがのぅ】

悠「尻尾一本、一本に武器があるんだろ。別に片羽ノ芦くらいいいだろ。」

揺光【あれは嘘じゃ。格好をつけただけで、この尻尾は全部妖力をすとっくしておる】

神姫「あの狐……やっぱり適当いってたのね」

千世子「神姫ねーちゃん、顔が怖いのだ……。」

悠「とりあえずだ。片羽ノ芦を返してくれるならそれに見合った物を渡すから、それでどうだ?」

揺光【ふむ。同等の価値のものなら構わんぞ。ほれ。】
ひゅん…。

悠「おっと……。はぁ…。」

揺光【さてさて、なにを貰おうか。】

悠「おれが渡せる物なんかあるか?」

揺光【まぁ、そのうち決めようぞ。しかし、忘れるなよ?約束じゃぞ。】

悠「……悪魔に魂を売った気分だ。」

摩耶「そこまでして取り返す必要があったの?」

悠「……いや、梔姉さんも刀剣コレクターで片羽ノ芦はお気に入りだったはずなんだよ。」

神姫「それで取り返したの?本人は納得しての取引だったんでしょ。」

悠「そうだけどな。ぐっ!?」

亘理『ねーねー梔姉さんって誰よ?』

悠「いちいち、絡み付くなっ!従姉だよ!従姉!小鳥遊梔!」

揺光【コンコン♪仲良きかな、良きかな。】

神姫「ちょっと、嘘つき狐」

揺光【おぉ、どうしたんじゃ?嘘つきとは心外じゃぞ】

神姫「さんざん、嘘ついてるじゃない」

揺光【ああ、尻尾の件か?ただのお茶目じゃよ。お茶目♪】

神姫「……」

雨「悠、その刀。見せてよ。」

悠「危ないから子供が刃物持っちゃいけません」

雨「キチキチキチ…」

悠「顔だけ蜘蛛化するな!?」
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