ー奇談ー學校へ行こう

ー空き教室(12/2/昼)ー

普段、千世子の授業を受けている隣の教室。
造りや広さは同じ。

摩耶「よいしょっと…」

悠「結構…っか、かなり汚れてるな。」

摩耶「だね。」

千世子「あんちん、まーや。千世子もなにかてつだおーか?」

悠「じゃあ、バケツの水を取り替えてきてくれる……無理か。」

千世子「なんで!?」

悠「絶対に転けるだろ」

千世子「そんなドジじゃ無い!見てろー!」

千世子は両手でバケツを抱えた。

摩耶「というか、本当にこの教室自由にしていいの?」

千世子「も、もちろん~…」

悠「おいおい、本気で転ぶなよ」

千世子「へいき!」

ヨタヨタとちょこ足、もとい千鳥足で千世子は教室から出ていった。

摩耶「健気だねぇ」

悠「……」

摩耶「なぁに?」

悠「いや、なに隠してる?」

摩耶「うーんとね。この教室アジトにしちゃわない?」

悠「あー?」

摩耶「ほら、秋葉だと闘路はあるけどこっちに溜まり場無いじゃない?ここをアジトにしたら後々こっち側を侵略するとき便利だよ?」

悠「お、お前結構野心家だな…」

摩耶「そう?」

悠「しかし、アジトか……こう少年心をくすぐる響きだな。」

摩耶「ここからなら駅も近いしよくない?」

悠「ふむ…っか、談話室とかいって目的は、はなからこれだったのか?」

摩耶「うーん、半々かな。ちょこちゃんの授業うけるのは嫌いじゃないし。ゆっくりお話しする場は悠くんも欲しいでしょ?」

悠「……まぁな。」

摩耶「今のところは談話室。あとはゆっくりとね」

千世子「うぇーん、あんちん~」

ビショビショに濡れた千世子が半ベソをかきながら教室に入ってきた。

悠「おま……マジにやったのか。」

千世子「ヒック、ヒック…」

悠「あーもー…」

首に巻いていたタオルを解いて、千世子の頭と顔を拭いてやる。

摩耶「本当にビショビショだね…。服も着替えた方がいいんじゃない?」」

悠「そうだな。家近いんだろシャワー浴びて着替えてこい」

千世子「ヒック、わかった…あんちん、ごめんな…」

悠「謝らなくていい」

千世子「けどぉ…」

悠「あーもー、うっさい。俺は謝るのも謝られるのも嫌いなんだよ。いいから、着替えてこい。そうしたら、授業してくれ。」

千世子「わかったぁ…」

摩耶「悠くん、悠くん」

悠「あー?」

摩耶「一緒に入浴ちゃんすだよ。」

悠「摩耶くん?君はいったい僕をどうしたいのかな?ううん?」

摩耶「う~ん、エロリコン?」

悠「一回、打とうか?」

摩耶「まあまあ半分くらいは冗談だから」

悠「半分は本気じゃねぇか!」

摩耶「あはは」

悠「笑いごっちゃねぇし…」
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