ー奇談ー學校へ行こう3

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業がはじまろうとしていた。

悠「どーゆーことだ?」

揺光【日付を消したのは妾ではなく、筆者の……】

悠「いや、そんなメタな話しやなくて。」

揺光【なんじゃいきなり】

摩耶「えーと、昨日僕がほぼ本懐させた入口がいつのにか直ってたんだよね。わりと本気で壊してたのに」

千世子「猫を捕まえようとしてたんじゃないのだ?!」

摩耶「途中から壊してたのか捕まえようとしてたのか解らなくなっちゃってて」

千世子「摩耶君は時々怖いのだ」

悠「っで、そのいきさつは置いといて……どーして、勝手に直った」

揺光【ひとに何かを尋ねるなら、それ相応の見返りを用意せんとな。】

悠「お前、妖怪だろ。」

揺光【こっくり……】

悠「そうやって何かあったら物理的にし返すのはよくないと思います」

揺光【オヌシはもう忘れたのかえ?】

悠「何を?」

揺光【あっち。】

亘理『?』

悠「亘理がどうした?」

揺光【死んだ者が妖怪化する校舎。すでにこの校舎自体が怪異と化しとるといったであろう。多少壊れたくらい自動で直るじゃろ。まぁ、粉々の消し炭にしたらどーなるかは妾にも解らんが……試してみるか?】

千世子「ダメなのだ!!!」

揺光【ふむ。(この区域にちと興味が沸いてはきたが……単に破壊するのは危険じゃし。しばし傍観するか)】

悠「なんか余計なこと考えて無い?」

揺光【コンコンコン♪それより猫を捕まえるのか?】

悠「心当たりがあるのか?」

揺光【無い。】

悠「無いんかい。」

揺光【うむ。猫は無いが面白いものならある】

摩耶「面白いもの?」

揺光【これじゃ】

揺光は小ビンを取り出して机の上に置いた。
よく見てみると中に蜘蛛がカサカサとうごめいてる。千世子はピッと小さくその場で飛び上がって、神姫の後ろに隠れた。虫嫌いだったのか。

千世子「く、蜘蛛なのだ……」

神姫「本読みにくい…。」

悠「これは?」

揺光【いつかの化け蜘蛛じゃ。たまたま見つけて抵抗するのでやや力づくでこの中に押し込めたんじゃが。どーする?潰すか?】

悠「止めろよ。悪趣味な」

揺光【ふむ。じゃがどうする?出してもよいが、また牙を剥くやもしれんぞ】

悠「まぁ、とりあえず出してやれよ。」

花描「出した瞬間、ぐちゅりって頭からかぶりつかれたりしてな。」

悠「……」

揺光【開けるぞ。】

カポッ…
警戒していたのと反面、蜘蛛はなんの反応もなくビン底でカサカサとうごめいてるがなんだか心なしか弱弱しい気もする。おれはビンをゆっくり横に倒して振った。
机の上に落ちた蜘蛛に悲鳴をあげたのが約三名の少女。

摩耶「これ、普通の蜘蛛じゃない?」

揺光【ふむ。少し絞り過ぎたかのぅ。どれ……むっ。】

揺光が手をかざすとジョロウグモはいつか見た少女の姿に変化した。素っ裸。

要「おぉ!?」

なのは「てりゃ」

要「眼つぶし?!?!」

フェイト「なのは、カッコいい///」

蜘蛛少女「うっうぅ……。」

花描「なんか死にかけてないか?」

揺光【はて、致命傷なんぞ与えとらんがな。】

蜘蛛少女「お……」

悠「どした?」

蜘蛛少女「おなか……すいたっ…。」
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