ー奇談ー學校へ行こう3

ー教室(7/27/夜)ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業がはじまろうとしていた。

悠「そういや神姫来てるか」

千世子「んー、見てないのだ。」

悠「そうか。」

神姫「呼んだ?」

悠「ああ。ナイスタイミング」

神姫「なに?」

悠「いや、この前さ亘理の服代……。」

神姫「格好つけて財布投げ渡したわりに、中身はほぼ空っぽでカードも無い。」

悠「ぐっ……。」

神姫「けどキャバ嬢の名刺はパンパンだったゴミみたいな財布のことよね。」

悠「……」

神姫「それで私が立て替えた。上から下まで一式。」

悠「よぉし、お前がそのつもりならこっちにも考えがあるいいぜ?大の男の号泣ってやつをな!!」

千世子「近所から苦情来るからやめるのだ。」

神姫「大きな声をあげたら折る。泣いたら潰す。両方したら両方する。」

悠「冷静に話し合うことが大事だろ。亘理とも話しあいでどーにかなったんだ。」

神姫「それでなにお金返してくれるの」

悠「……もう少し待ってください。」

神姫「返す気はあるのね。」

悠「当然だ!っか、できるなら金は借りたくなかった……。」

神姫「貸すつもりも無かったけど。成り行きにそーなっただけで」

悠「……」

千世子「なんで借りたくなかったのだ?」

悠「金の貸し借りは簡単に関係をぶっ壊すからな。」

神姫「そうね。今にも壊れそうだわ。」

悠「ホントすいませんでした!!」

神姫「……いいわ。どうせ服は居るんだったし。」

悠「いや、けど…」

神姫「勘違いしないで、裸でうろつかれても迷惑なの。だから、私が見かねて買った。ただそれだけよ。」

千世子「クールなのだ!!」

悠「……釈然としないが。」

神姫「そういうセリフはね。ちゃんとそれなりに財布にお金をいれてて言いなさい。」

悠「グゥの音も出ない。」

亘理『なんの話し~?』

神姫「悠に甲斐性がないって話よ」

悠「酷いですよね?!」

亘理『あー……がんばれ』

悠「逆さに突き立てるぞお前!」

摩耶「取り込み中?」

花描「まーいつもの感じ」

要「どうかした?」

摩耶「うーん、どうかっていうかね。来る途中で靴箱の横に猫がいたんだよね。」

悠「猫……って、例の七本尻尾のか」

摩耶「そーそれ。捕まえようとしたら逃げちゃったよ。」

悠「ふむ。亘理の件が落ち着いてきたし蜘蛛娘とその猫を少し調べてみるか。」

摩耶「そのまえにね……。ちょっと、お願いがあるんだけど」

悠「どした?」

摩耶「実は……」

フェイト「あの~なにかあったんですか?」

なのは「靴箱の辺りがぐしゃぐしゃになったの。」

悠「摩耶さん?」

摩耶「ちょっと深追いし過ぎちゃった。てへへ。」

悠「調査の前に修理が先だな。亘理」

亘理『あによ?』

悠「適当に木材輸送してくれ」
17/100ページ
スキ