ー奇談ー學校へ行こう3

ー教室(7/23/夜)ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業がはじまろうとしていた。

亘理『揺光っさ、大妖怪なんだよね?』

揺光【無論じゃ】

亘理『ならさ、私を抜いたりとかできないの?』

揺光【抜く?】

亘理『ほら、ずっと逆さつり状態なのもなんか……』

揺光【引きちぎってやっても良いがどうなっても知らんぞ】

亘理『知らんって、具体的には
?』

揺光【繋がりを断つ訳じゃからな、断りから外れ消滅か、自我を保てずに発狂するか、はたまた地獄に墜ちるか天に召されるか……。可能性は沢山あるぞえ。くっくっくっ】

亘理『……』

揺光【なんじゃその目は】

悠「ちぇき」

亘理『!?』
ひゅるるっ…

ずるるるっ…
悠「うおっ?!」

亘理『悠ちゃーん!!揺光がいぢわるするんだよぅ!!』

悠「あー?」

揺光【コンコンコンッ♪意地悪とは人聞きの悪い。妾は問いに応えてやったというのにのう。】

悠「なんがあったか知らないけど。仲良くしろよな」

花描「よっす。」

悠「おう。暇してるんならあまの二人が喧嘩しないか見ててくれよ」

花描「あれは喧嘩じゃなくじゃれあいだろ。」

悠「そりゃ、揺光の場合はからかうかじゃれあい程度かもしれないけど亘理からしたら本気のときがあるだろ」

花描「はっはは。確かにな。けど、狐っていうのはそういうもんだ。それに揺光ほど生きていたらあーゆー風に誰かをからかうのが楽しくてしかたないんだろ」

悠「……っか、それなら花描君も同じじゃないのか?」

花描「俺はまだまだ若いっての」

悠「ふぅん」

花描「っていうか、俺からみたら悠のがおかしいけどな」

悠「あー?」

花描「何を考えてるのかほとほと分からん。」

悠「何にも考えてないだけですけど」

花描「じゃあ、バカだな」

悠「うーむ、反論しないと認めることになるのが悔しいな……っか、何を考えてるのかを解らないって普通じゃね?」

花描「なに?」

悠「いや、例えばさ……おれは今こうして話してて、なんで花描がそんなことを言い出したのかがわからん。揺光の考えてることも、付き合いの長い摩耶が何を考えてるかなんて分かんないもん。」

花描「ふむ……。一理あるな」

悠「だろ」

花描「ああ、まったくだ。(話を煙に巻くのが上手だな)」

悠「ただ今考えてるのは……結構、亘理がうらやましいってことかな」

花描「妖怪化したいのか?」

悠「ちゃうちゃう。なんっーか、ほら、強さがあるじゃん。何十年もひとりだったのにああして元気にしてる。花描だってふらふらしてるようだけどおれの知らないところで妖怪ハンターみたいなのしてるんだろ。普通に羨ましいと思うよそーゆー強さ持ってて……。」

花描「……強い力が欲しいのか?」

悠「いいや」

花描「世界を変えたいのか?」

悠「…いいや」

花描「昔に帰りたいのか?」

悠「……それも違うか……ふふ、結局消去法でだらだら生きてきたんだなぁ…おれ……。」

花描「あのなお前が産まれるずっと前から生き続けてる俺はどーなる?長い年月思いつくことやりつくして、今はこんなもんだぞ?」

悠「いっひっひっひ」

花描「笑うなよ」

悠「いや、ほら、おれ、あれ、「泣き事」いって自分を修正していくタイプの人間だから。」

花描「難儀なタイプだな。」
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