ー奇談ー學校へ行こう3

ー教室(7/21/夜)ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業がはじまろうとしていた。

なのは「こんばんわなの」

悠「ちぇき。ずいぶん早いね」

なのは「あれ、悠さんだけなの?」

悠「まだ他のは見てないな。あ、ジュースでも呑むか?」

なのは「いいんですか?」

悠「子供が遠慮するのは可愛くないなぁ」

なのは「にゃはは。なら、遠慮なくもらっちゃうの」

悠「おう。もらっちゃえ。もらっちゃえ。」

なのは「いただますなの」

悠「……」

なのは「……」

悠「……」

なのは「えと……。」

悠「うん?」

なのは「あ、悠さんはブラックコーヒー飲むんですね」

悠「あー。まぁそうかな。この酸味と苦味が好きでね」

なのは「大人っぽいの」

悠「はは。このくらいなら要ちんも同じだろ。」

なのは「そういえば要君もブラック飲んでたかな」

悠「いつもスーツだし。人として大人って意味ならおれより要ちんだぞ」

なのは「えー……」

悠「そう疑惑の顔をしなくても」

なのは「でも、悠さんの方が落ち着いてて変なこともしないの」

悠「……なのはちゃんは目が悪いのか?それとも頭……」

なのは「?」

悠「あー、いや、そう見えるのはアレかな」

なのは「アレ?」

悠「なのはにカッコいいように見られるように見栄をはって気を引いてるから」

なのは「ふぇえええ?!」

悠「冗談、冗談、そんな嫌がらないでくれ。流石に傷つくから」

なのは「い、嫌がってるわけじゃ//ちょっと驚いただけなの//」

悠「驚かれるほど嫌われてたか…」

なのは「じゃ、じゃなくて……見栄はってるの?」

悠「勿論。おれは見栄張りだぞ~。小手先で誤魔化しをきかせて、その場しのぎの嘘をついて逃げてまくりだ。」

なのは「えぇー。」

悠「おれにはそのくらいしかできないんだよなー。嘘と妥協で生きてるし。」

なのは「嘘をつくのは……良くないの。なんでも全力全開でいくのが大切なの!」

悠「全力全開か……。なのはちゃんらしい言葉だ。よく似合ってる。おれには眩しすぎるけどな。」

なのは「じゃあ、悠さんはどんな言葉が好きなの?」

悠「うーん……「しょーがない」って言葉かな。逃げ出すことを正当化して甘ったれた道に逃げられるし」

なのは「……かっこ悪いの」

悠「だろぉ」

なのは「けど、解らないの。どうして悠さんはそうやって……えーと……なんていうのか……」

亘理『ばああぁー!!』

なのは「!?」

悠「あ、やっと出てきた。」

亘理『んーーーーっ……よく寝た!悠、冷麺買ってきてくれた?』

悠「おう。ちゃんと買ってきたぞ。是非食べてくれ」

亘理『やたーー!!悠やっさし!!』

悠「逆さ吊りの状態でどうやって麺類を喰うのか見たくて仕方なかったしな」

亘理『あ……。』

悠「考えて無かったのか…」

なのは「妖怪もお腹空くの?」

亘理『今までそんなことなかったのに最近急にお腹すきだしたんだよね。ということで食べさせろ。』

悠「引き抜くぞ」
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