ー奇談ー學校へ行こう3

ー教室(7/18/夜)ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業がはじまろうとしていた。

悠「ちぇき」

亘理『ばぁー!!』

教室に入ると目のまえに逆さの女の顔。昨日見つけてしまった亘理だ。

悠「……」

亘理『およ?反応薄いなあー』

悠「……」

亘理「あっ、ちょっと、ちょっとー。おーい。」

おれは目のまえに垂れさがる天井下を無視して教室の外を確認した。
いつもおれたちが集まっている教室だ。間違いない。

悠「なあなあ」

亘理『ん?なにかな?』

悠「なんでココにいんの?」

亘理『いや、それがですね。ダンナー。あまりの暇さに天井をうろうろしてたらですな』

悠「うんうん」

亘理『この校舎内の天井であればどこにでも行けることが判明いしました―――!!』

悠「マジかよ。」

揺光【まじじゃ。ま、それくらいしかできんがのう】

悠「揺光、今日は起きてるのか」

揺光【ここに来たらいきなりその小娘が垂れ下がってきて驚かされたがのぅ。コンコンコンッ♪】

亘理『(あの人、驚いてなんかないのよ。いなり私のこと引き千切ろうとして怖かった……)』

悠「鬼だな……いや、狐か」

揺光【コンコンコンッ♪】

千世子「お、兄ちんもうきてるのだ。それにわたりちゃん、こんばんわなのだ」

亘理『ちよちゃん、やほー』

悠「仲いいな」

亘理『あらっ、嫉妬かしら。ヤーネー』

悠「封印してやろうか」

千世子「わたりちゃんとは今日ずっと遊んでたのだ」

悠「お前……本当に怖いもの知らずだな」

千世子「?」

花描「よう。あれ、亘理がいる。」

悠「ああ、なんかコイツ天井ならどこにでも移動出るらしいぞ」

要「特殊能力か?」

亘理『天井しか移動できないから全然プラスにならないけどね』

神姫「そういえばずっと逆さなの?」

悠「足は天井についてて離れんらしい」

天空音「全身は出せるです?」

亘理『できるよ』

亘理はずるるっと天井から姿を現した。
見たことない紺色の制服に白いブラウスと緑色のネクタイ。胸のポケットには名札がついているのを見ると生前は中学生くらいだったのだろうか……。逆さなのでスカートがまくれないように手で押さえてるのが女っぽかった。妖怪だけど。

悠「全身出したら丁度、おれと目線が合うな。首あげて話さなくていいから、出るときはその状態でいろ。」

亘理『あらやだ。もう亭主関白?』

悠「幽霊妖怪の類にはこんなんしかおらへんのか……」

天空音「むしろ、悠さんがそーゆー類に好かれるタイプなんですよ」

悠「あー……」

要「モテモテだな」

悠「うるへー」

摩耶「これで首つり教室の怪異は対処できたのかな?」

神姫「さぁ、でも悪さするような子でもないし、いいんじゃない。」
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