ー奇談ー學校へ行こう3
ー教室(7/17/夜)ー
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業がはじまろうとしていた。
悠「さて、じゃあ今日は封印された首吊り教室の調査から始めるか」
千世子「首吊りが頻繁に起こってるように聞こえるからやめるのだ!」
フェイト「教室の調査自体は止めないんだね……。」
要「悠は首が頑丈だから平気なんだよ」
摩耶「あはは。それじゃあ首を吊るの前提だね」
なのは「明るく笑って話す内容じゃないの」
悠「まぁ、最悪、揺光に守ってもらう方向で……」
揺光【zzz…zzz…】
灼羅「高いびきじゃな」
悠「なんで今のさっきまで起きてたのに寝てるんだよ。おい、コラ、女狐。」
揺光【zzz…zzz…】
悠「……」
花描「どーする?」
悠「ま……祟り殺される事は無いだろ。とりあえず見るだけ見てくるわ。」
神姫「ひとりで?」
悠「こんだけ大人数でいってもしゃーないだしょ。みんなは好きなように授業しててくださいまし」
千世子「わかったのだ」
天空音「素直ですねぇ~」
花描「骨は拾ってやるよ」
悠「上半身はマリオに、下半身はバロンにあげてくれ」
フェイト「縁起でもないよ!」
摩耶「僕、アバラ骨ね」
要「え、欲しいの?」
摩耶「冗談だよ」
悠「はぁ。」
灼羅「着いていってやろうか?」
悠「いや、灼羅たんはそこの女狐が起きたら蹴りでも入れといてくれ」
揺光【zzz…zzz…】
ー首吊り教室ー
普段おれたちが使っている教室から二つ隣。廊下のどんつきに当たる場所。
噂の首吊り教室の前まで来たのはいいけど、扉は無数に板が打ち付けてあって完全に閉鎖されていた。さすがにこれを取り除くのは骨が折れる。蹴り壊して入ってもいいけど無駄な体力は使いたくない。
おれはそこからの侵入を諦めて、鶯張りの廊下を歩いた。どうせ、反対側も封鎖されていると思っていたが……。
「あらら…」
こちらは板を打ち付けられてはなかった。ただ、紙、短冊形に切られて難しい字を書かれた俗にいうお札がベッタベタに貼られていた。非常に前衛的アートだ。おれはとりあえず手を合わせてから扉を引いた。
中はうす暗でかび臭い。何十(?)年も放置していたのは明白だ。手で口元を押さえて中程まで入る。そこで目があった。
『シクシク…シクシク…』
「……」
首吊り死体……では、なく天井から逆さに女の顔が半分くらい生えてる。泣きながら怨めしそうにおれを見ていた。
見ていてもつまらないので、垂れ下がっている髪の毛を掴むと、掴めたので引っ張ってみた。
『いったっ!!』
実体があるから妖怪みたいだ。
「あ、スマン。スマン。」
『普通いきなり髪の毛ひっぱる?!』
「いや、つい。あ、おれ小鳥遊悠。最近ここで遊んでるひとりなんだがよろしく。恨み言のひとつでも聞いてやるからそう怒りなさんな。」
『……私、沼沢亘理(ぬまさわわたり)。ホントに聞いてくれるの?』
「ああ、聞いたる。聞いた。意思の疎通が出来る妖怪だったら怖くないからな。」
『んー……じゃあ、いおっかな恨み言。』
聞いてみると、とんでもない。自殺したのではなくいきなり天井から入ってきた男に襲われ、死体を教室に死体を吊るされたせいで、妖怪化したらしい。
「最悪だな」
『いや、ホントに……』
その日は一晩中、「天井下」の彼女といろんな話をしてわりと楽しかった。
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業がはじまろうとしていた。
悠「さて、じゃあ今日は封印された首吊り教室の調査から始めるか」
千世子「首吊りが頻繁に起こってるように聞こえるからやめるのだ!」
フェイト「教室の調査自体は止めないんだね……。」
要「悠は首が頑丈だから平気なんだよ」
摩耶「あはは。それじゃあ首を吊るの前提だね」
なのは「明るく笑って話す内容じゃないの」
悠「まぁ、最悪、揺光に守ってもらう方向で……」
揺光【zzz…zzz…】
灼羅「高いびきじゃな」
悠「なんで今のさっきまで起きてたのに寝てるんだよ。おい、コラ、女狐。」
揺光【zzz…zzz…】
悠「……」
花描「どーする?」
悠「ま……祟り殺される事は無いだろ。とりあえず見るだけ見てくるわ。」
神姫「ひとりで?」
悠「こんだけ大人数でいってもしゃーないだしょ。みんなは好きなように授業しててくださいまし」
千世子「わかったのだ」
天空音「素直ですねぇ~」
花描「骨は拾ってやるよ」
悠「上半身はマリオに、下半身はバロンにあげてくれ」
フェイト「縁起でもないよ!」
摩耶「僕、アバラ骨ね」
要「え、欲しいの?」
摩耶「冗談だよ」
悠「はぁ。」
灼羅「着いていってやろうか?」
悠「いや、灼羅たんはそこの女狐が起きたら蹴りでも入れといてくれ」
揺光【zzz…zzz…】
ー首吊り教室ー
普段おれたちが使っている教室から二つ隣。廊下のどんつきに当たる場所。
噂の首吊り教室の前まで来たのはいいけど、扉は無数に板が打ち付けてあって完全に閉鎖されていた。さすがにこれを取り除くのは骨が折れる。蹴り壊して入ってもいいけど無駄な体力は使いたくない。
おれはそこからの侵入を諦めて、鶯張りの廊下を歩いた。どうせ、反対側も封鎖されていると思っていたが……。
「あらら…」
こちらは板を打ち付けられてはなかった。ただ、紙、短冊形に切られて難しい字を書かれた俗にいうお札がベッタベタに貼られていた。非常に前衛的アートだ。おれはとりあえず手を合わせてから扉を引いた。
中はうす暗でかび臭い。何十(?)年も放置していたのは明白だ。手で口元を押さえて中程まで入る。そこで目があった。
『シクシク…シクシク…』
「……」
首吊り死体……では、なく天井から逆さに女の顔が半分くらい生えてる。泣きながら怨めしそうにおれを見ていた。
見ていてもつまらないので、垂れ下がっている髪の毛を掴むと、掴めたので引っ張ってみた。
『いったっ!!』
実体があるから妖怪みたいだ。
「あ、スマン。スマン。」
『普通いきなり髪の毛ひっぱる?!』
「いや、つい。あ、おれ小鳥遊悠。最近ここで遊んでるひとりなんだがよろしく。恨み言のひとつでも聞いてやるからそう怒りなさんな。」
『……私、沼沢亘理(ぬまさわわたり)。ホントに聞いてくれるの?』
「ああ、聞いたる。聞いた。意思の疎通が出来る妖怪だったら怖くないからな。」
『んー……じゃあ、いおっかな恨み言。』
聞いてみると、とんでもない。自殺したのではなくいきなり天井から入ってきた男に襲われ、死体を教室に死体を吊るされたせいで、妖怪化したらしい。
「最悪だな」
『いや、ホントに……』
その日は一晩中、「天井下」の彼女といろんな話をしてわりと楽しかった。