ー奇談ー學校へ行こう3

ー教室(7/11/夜)ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業がはじまろうとしていた。

千世子「変なのだ」

悠「あー?」

天空音「なにかあったですか?はい、あーんです」

千世子「あーん。ぱくっ!!むぐむぐっ最近使ってない教室から物音がするのだ」

悠「使ってない教室だらけじゃないか」

千世子「そーだけどー音がしたのだ!!」

悠「ふむ……。揺光」

揺光【zzz…zzz…】

天空音「熟睡してるです」

悠「この狐は……灼羅たん」

灼羅「なんじゃ」

悠「校舎内に怪しい気配は?」

灼羅「残念だが、探知はできん。そもそもこの校舎内と校舎外に張った結界は桁が違うはずじゃからアヤカシの侵入者など、まずあり得んはずじゃがな」

悠「そんなに凄いのか?」

天空音「こんどはクッキーですよー」

千世子「あーんなのだー」

悠「ぴよこの餌付け中、悪いけど質問に答えてくれますか?」

天空音「あらら、ごめんです。そうですねー。外の結界を超えようとするなら「王」の爵位を持つ悪魔。または古く長く信仰を持つ神くらいしか無理やりは入れねぇですよ」

悠「……あのさ、それってとんでもないレウ゛ェルの話ししてない?」

灼羅「なにを今更。そこで寝とる妖婦狐が力のを使って張った結界じゃぞ。時代が時代なら聖域とも魔殿とも呼ばれる場所になる」

千世子「ほへーなのだ」

悠「やっぱ揺光すげぇな」

灼羅「ふんっ。わっちが本当の力を発揮したらもっと凄いのじゃ」

悠「じゃあ、外も内も完璧なのに不審な音がするっていうのは……」

灼羅「古い校舎じゃ隙間風も入ろう」

天空音「ですです。」

千世子「じゃあ、千世子の取持ち供養なのだ?」

悠「取り越し苦労な。」

千世子「ちょ、ちょっとしたじょーだんなのだ」

悠「っか、取りこし苦労じゃないかもしれないぞ。」

天空音「どーゆーことです?」

悠「根本的に天空音ちゃんも灼羅たんも忘れてることがあるぞ。アヤカシの類は入れなくても……人間なら?」

灼羅「むっ…」

天空音「あっ…」

悠「魔力散霧も魔妖霊力封印も弱体化も普通の人間にはなんのアドバンテージもないんだろ?現におれやぴよこが平気な訳だし」

揺光【ふむ、そうじゃな。ハッキリいって人間には無害じゃ。】

悠「起きてたのか。」

揺光【起き「た」のじゃ。侵入者など面白そうな話をしてたようじゃしのう。】

千世子「し、侵入者が居るのだ!?」

悠「っか、なんでここに居る妖怪に怯えないのに人間の侵入者に怯えるんだよ」

千世子「揺光達はいい妖怪なのだ!」

灼羅「わっちは妖怪ではないのじゃ」

天空音「私も違うですよ」

悠「そこはしっかり否定すんのね…」
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