ー奇談ー學校へ行こう2

ー教室(7/2/夜)ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業がはじまろうとしていた。

悠「ふあぁ…」

摩耶「眠たいの?」

悠「若干眠い…。ここはひとつ目覚めのちゅ…」

神姫「激痛と苦痛どっちで目覚めたい?」

花描「ボケが完結する前に潰されてるな…」

揺光【zzz…zzz…】

灼羅「こっちは既に爆睡じゃな」

千世子「はーい。出席をとるのだ。」

神姫「先生。悠くんは悩みがあって屋上から飛び降りるそうです」

悠「飛び降りないよ!?」

千世子「わかったのだ。じゃあ、摩耶くん」

摩耶「はーい」

悠「いや、スルーすんなよ!?リアルだったらどうするんだよ」

要「飛び降りたくらいじゃ死なないだろ」

悠「これ、イジメだろ」

なのは「みんな酷いの!」

悠「なのは…」

なのは「悠さんに悩みなんかあるわけないなの!」

悠「そこかい!」

フェイト「そうなんだ。」

悠「フェイトも鵜呑みにしなさんな」

天空音「じゃあ何か悩みはあるですか?」

悠「……」

神姫「単純に生きてていいわね。」

悠「悩みあったわ。ここに居る女性が怖い」

要「悩みではないと思うぞそれ。」

悠「もういいし。おれは摩耶と後ろの方でいるし」

花描「摩耶くんを巻き込むなよ…」

千世子「全員いるみたいだし、じゅぎょー開始なのだ。」

天空音「油取りって、どういう姿をしてるですか?」
千世子「姿は、紺色の布でできた、足元を保護する装身具「脚絆」と、手を保護する農具「手差し」を身に付けて現れて子供をさらうのだ。そしてさらった子供に魚焼き用の串を刺し、油を搾り取るのだ。」

摩耶「油取りって名前はそこから来てるのかな。」

千世子「とくに女の子からはきれいな油がとれるといわれ、油取りに集中的に狙われたというのだ。」

悠「ここなら少なくとも三人はいけるな。千世子、なのは、フェイトで。」

要「絶対にやらせねぇ!」

花描「他の女子はきれいな油が取れないっていってるのか?」

悠「子供じゃないといってるんだよ!?なんでそんな悪くなる」

揺光【魚焼き用の串では無いが、女を田楽刺しするのは得意じゃろ~。妾も挿されて…】

悠「だぁてろ!」

フェイト「揺光さん、刺されたの!?」

揺光【それはもう何度も何度もぶっすりとのぅ】

悠「やめんか雌狐。」

千世子「東北地方には、油取りが現れると戦争が起こるという噂もひろまったのだ。」

天空音「戦争と油取りにどんな関係があるです?」

千世子「まったく不明なのだ。けど、油取りは日露戦争の時に東北にあらわれて、人々を震え上がらせたというのだ。また、油取りとよく似た妖怪は島根にもいるのだ。」

なのは「どんなの?」

千世子「子取りという妖怪で、文字通り子供をさらう妖怪なのだ。さらった子供から血を搾りとって、お皿を作るための材料にしたというのだ。以上、油取りのじゅぎょーだったのだ。」
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