ー奇談ー學校へ行こう
ー教室(11/30/夜)ー
夜の授業が始まる八時より少し前に集まるのが日課になってきた、生徒役の悠と摩耶。
それに自称先生の千世子は悠の膝に座っていた。
悠「十一月も終わりだな。」
摩耶「ラスタでも似たような事いってたよね。」
千世子「まーや、ラスタってなに?」
摩耶「僕らがよくいってるお店だよ。」
千世子「なに屋さん?」
悠「バーかな。酒を出してくれる店。」
千世子「おー、大人っぽい。」
悠「ぴよこは子供だな。」
千世子「何をいうか。千世子は見た目は子供でも吸血鬼だからあんちんより年上だ!」
悠「いや、最初に自分で十三歳ったよな?」
千世子「…い、いってない」
悠「俺の目をみていえ。」
千世子「さ、授業をはじめるぞ!」
悠「逃げやがった。」
摩耶「悠君もよく逃げるじゃん」
悠「さ、授業、授業」
摩耶「やっぱり、似てるなぁ」
千世子「さて、「黙示録の竜」もいよいよ大詰め。きょうは何故、ドラゴンはキリスト教の敵になったのかです。」
摩耶「そういわれたらキリスト教ってドラゴンは神と敵対する悪魔扱いだよね。」
千世子「うん。まーや良いところに気がついた。その理由のひとつは「黙示録の赤い竜」で間違いない。前にも説明したとおり、黙示録の赤い竜の正体は、キリスト教における悪の象徴「サタン」だと考えられている。サタンがドラゴンの姿をとったことから、キリスト教はドラゴンを悪の存在と考えるようになったのだ。」
摩耶「日本や中国なら神様なのにね」
悠「それはだな…」
千世子「……」
悠に千世子の視線が突き刺さった。
悠は口を閉ざした。
摩耶「ちょこせんせー。続きをお願いしまーす。」
千世子「うむ。もっとも、神とドラゴンが対立するという考え方はキリスト教の発明ではない。キリスト教が誕生したイスラエルの近くには、蛇やワニなど爬虫類の姿をした怪物と神々が戦う神話が多く残っている。キリスト教にも神がレヴィヤタンという怪物を作り、危険すぎたために殺してしまう神話もあるが、このレヴィヤタンは別の民族の神話から取り入れられたものの可能性が高い。」
摩耶「レヴィヤタンって、リヴァイアサンの事だよね?」
悠「ああ、七つの大罪のひとつだ。まぁ、これ以上は言わないが…」
千世子「悠のあんちんもまーやも勉強熱心で千世子嬉しいぞ」
悠「はは…(普段は一切勉強してねぇとは言えないな…)」
摩耶「僕結構好きだよ。こーゆーの。」
千世子「ほんとかー!あはは、嬉しいな!」
悠「しっかし、ぴよこもよくこんだけ覚えたな。」
千世子「千世子は何でも知ってるのだ!」
悠「俺の知り会いには何でも知ってるやつが多すぎて困るわぁ」
摩耶「悠君も結構なんでも知ってるけどね」
悠「無駄なことはな。」
夜の授業が始まる八時より少し前に集まるのが日課になってきた、生徒役の悠と摩耶。
それに自称先生の千世子は悠の膝に座っていた。
悠「十一月も終わりだな。」
摩耶「ラスタでも似たような事いってたよね。」
千世子「まーや、ラスタってなに?」
摩耶「僕らがよくいってるお店だよ。」
千世子「なに屋さん?」
悠「バーかな。酒を出してくれる店。」
千世子「おー、大人っぽい。」
悠「ぴよこは子供だな。」
千世子「何をいうか。千世子は見た目は子供でも吸血鬼だからあんちんより年上だ!」
悠「いや、最初に自分で十三歳ったよな?」
千世子「…い、いってない」
悠「俺の目をみていえ。」
千世子「さ、授業をはじめるぞ!」
悠「逃げやがった。」
摩耶「悠君もよく逃げるじゃん」
悠「さ、授業、授業」
摩耶「やっぱり、似てるなぁ」
千世子「さて、「黙示録の竜」もいよいよ大詰め。きょうは何故、ドラゴンはキリスト教の敵になったのかです。」
摩耶「そういわれたらキリスト教ってドラゴンは神と敵対する悪魔扱いだよね。」
千世子「うん。まーや良いところに気がついた。その理由のひとつは「黙示録の赤い竜」で間違いない。前にも説明したとおり、黙示録の赤い竜の正体は、キリスト教における悪の象徴「サタン」だと考えられている。サタンがドラゴンの姿をとったことから、キリスト教はドラゴンを悪の存在と考えるようになったのだ。」
摩耶「日本や中国なら神様なのにね」
悠「それはだな…」
千世子「……」
悠に千世子の視線が突き刺さった。
悠は口を閉ざした。
摩耶「ちょこせんせー。続きをお願いしまーす。」
千世子「うむ。もっとも、神とドラゴンが対立するという考え方はキリスト教の発明ではない。キリスト教が誕生したイスラエルの近くには、蛇やワニなど爬虫類の姿をした怪物と神々が戦う神話が多く残っている。キリスト教にも神がレヴィヤタンという怪物を作り、危険すぎたために殺してしまう神話もあるが、このレヴィヤタンは別の民族の神話から取り入れられたものの可能性が高い。」
摩耶「レヴィヤタンって、リヴァイアサンの事だよね?」
悠「ああ、七つの大罪のひとつだ。まぁ、これ以上は言わないが…」
千世子「悠のあんちんもまーやも勉強熱心で千世子嬉しいぞ」
悠「はは…(普段は一切勉強してねぇとは言えないな…)」
摩耶「僕結構好きだよ。こーゆーの。」
千世子「ほんとかー!あはは、嬉しいな!」
悠「しっかし、ぴよこもよくこんだけ覚えたな。」
千世子「千世子は何でも知ってるのだ!」
悠「俺の知り会いには何でも知ってるやつが多すぎて困るわぁ」
摩耶「悠君も結構なんでも知ってるけどね」
悠「無駄なことはな。」