ー奇談ー學校へ行こう2

ー教室(6/25/夜)ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業がはじまろうとしていた。

千世子「なんだかんだでじゅぎょーが進まないのでビシバシいくのだ!」

悠「まぁ、そう気張るなよ。」

揺光【そうそう何事もりらっくすが大切じゃ】

神姫「抜きすぎはどうなのかしら。」

摩耶「あはは」

千世子「コホン。雪女は一般的に、白い着物を着た美女とされることが多いのだ。」

フェイト「ねぇ、なのは。「きもの」ってなに?」

なのは「えーと、日本の服なんだけど……あ、揺光さんが着てるみたいなの」

フェイト「……ずいぶんと切れ込みの多い服なんだね。」

灼羅「いや、アレは特別じゃ。それに着物じゃなくて一応巫女服じゃ。」

千世子「ただしかならず美女というわけではなく、秋田県には目鼻立ちのはっきりしない雪女が登場するし、北陸地方から日本海につきだす……はい、要兄ちゃんなに島なのだ?」

要「北陸で日本海につきだすのは能登半島かな」

千世子「正解なのだ。能登半島では、杖をついて大きな笠をかぶった雪女の亜種「白粉婆(おしろいばばあ)」の伝承が残っているのだ」

灼羅「ちなみにさらに変わったところだと、大雪の日にあらわれる雪女は一本足だという伝承もあるのじゃ」

悠「おー、灼羅たん。かわいいなー。」

灼羅「なぜか…釈然とせぬな…」

千世子「人間にとって雪女はとても危険な妖怪なのだ。なぜなら雪女の伝承は、出会った人間をなんらかの方法で殺そうとする内容のものがほとんどたからなのだ。」

フェイト「人間を殺そうとする…」

花描「伝承の話さ。敵視するんじゃなく今は学ぶことに集中するといい」

フェイト「は、はい」

千世子「もっとも有名なのは、出会った男の精気を吸って殺してしまうというものなのだ。」

揺光【悠は平気じゃな。一晩や二晩くらい精気を出し続けても絞りきれんし】

悠「いやぁ、二晩は無理かな…。内容にもよるけど…」

神姫「……」

ゴスッ!

悠「うげっ……よ、横腹に肘が…」

摩耶「いい角度で突きたったね」

千世子「そのほかにも、雪女の呼び掛けに答えないと、背中を押されて谷底に落ちて死ぬとか、逆に雪女の呼び掛けに答えたり、顔をみると死ぬというものもあるのだ。子供をさらったり子供の内臓を抜き取るなど、子供を狙いうちにした伝承も少なくないのだ。」

悠「やっぱりモツも子供の方が美味いのかな。」

摩耶「その質問は答えられたら困るからしないでおこうよ」

揺光【くっくっく】

「「「ゾクッ…」」」

千世子「き、今日はここまでなのだ…」
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