ー奇談ー學校へ行こう2

ー教室(6/21/夜)ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業がはじまろうとしていた。

揺光【ふむ…来ぬな。】

灼羅「この雨じゃし。今日は無いのじゃないのか?」

揺光【ふむ。そういいたいところじゃが。悠とオチヨ以外が揃っておるんじゃがな。】

摩耶「よいしょっと、これで全員分の椅子運び終わったね。」

花描「よくわかった。」

摩耶「ん?」

花描「摩耶くんが人を上手く使える人だと。この椅子ほぼ全部俺が運んだよな。」

摩耶「雨だね~」

花描「……」

なのは「あの、ありがとうございますなの」

花描「いや、いいけどな。」

摩耶「ほら、好感度アップ」

花描「お前、悠と親友なのがよくわかった…」

摩耶「あはは~」

天空音「それにしても悠さんも千世子ちゃんも来ないですね。」

要「前者は俄然どうでもいいが、千世子ちゃんは心配だな。」

フェイト「……」

要「いやいや、あれだよ?悠は心配いらない生き物だし。」

神姫「来たみたいよ。」

千世子「あーうー雨降りすぎなのだ。」

悠「よう」

要「千世子ちゃんすぶ濡れじゃないか!!」

悠「おれもな。」

要「知ったことか」

悠「摩耶」

摩耶「はい、タオル」

悠「さんきゅ。ほら、ぴよこおいで」

ゴシゴシ…ゴシゴシ…
ワシワシ…ワシワシ…
千世子「ぬぁ~きもちいいのだ~」

揺光【これで全員集合じゃな】

神姫「……授業するの?」
千世子「もちろんなのだ!」

悠「っか、この大所帯でなんの授業するんだ?」

千世子「……なにがしたいのだ?」

悠「じゃあ、保険体育。」

神姫「……」
ピッ…ドゴンッッ!

悠「ぐおぉっ…ひさびさのは…効くっ……」

なのは「悠さんがめり込んだの!?」

フェイト「今のは…魔法?」

摩耶「氣かな。」

要「ここら一帯はその手の能力使えないのにどうやって?」

神姫「私が天才で完璧で淑女だからよ」

悠「天才で完璧な淑女は男をひとり床にめり込ませたりせんわい」

神姫「一階まで落ちる?」

悠「授業しよう。さぁ、しよう。今すぐしよう。なんでも良いからしよう。」

揺光【保険体育か?】

悠「ぶり返すな!そんなにおれをプレスにしたいのか。」

揺光【……見てみたい。】

神姫「じゃあ、久しぶりにちゃんと手を使っていきましょうか」

要「許可しよう」

悠「止めれ!」

神姫「……」
パンッ…!

バッ!ドッ!!
悠「風のバリアー!ぐっ……あ、無理だ。」

要「ぐっ?!」

ズッドンン!!

神姫「……そこら一帯射程内よ。」

なのは「すごいの!」

フェイト「魔力じゃない力もあるんだ…」

神姫「調子悪いわね。一階まで落として、さらに床を凹ますつもりだったのに…」

千世子「床に穴が開いたのだ…」

花描「ピエロ君に直してもらえばいい」

悠「踏んだり蹴ったりかよ!」
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