ー奇談ー學校へ行こう2

ー教室(6/18/夜)ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業がはじまろうとしていた。


揺光【うむ。こんな、ところじゃな】

灼羅「揺光はなんにもしてないじゃろ!!わっちと天空音しか働いておらん!!」

天空音「まぁまぁ、いいじゃないですか。っと、いいながらさすがに疲れちゃったです…」

揺光【やれやれ、しかたないのぅ。上の方は妾が全部施してやるとするかのぅ。】
ヒュッ…

灼羅「なにが仕方ないというか~~!あの女狐~!」

千世子「しゃーちゃんにそらねーちんなにしてるのだ?」

天空音「あ、ちょこセンセ。こんばんわです」

灼羅「ちょっと此処等一帯に結界を施してたのじゃ」

千世子「結界?」

天空音「ほら、私たちってこう見えて結構高位の存在だからこうやって一度に集まるとどうしても霊圧とか妖気とか魔力が溢れてしまうです。だから、それに惹かれて妙なのが集まらないようにここの周辺に独自の結界を張り廻ったです」

千世子「な、なんだか千世子の学校が恐ろしいことになってきたのだ…」

灼羅「なにも害はない。ただ、ここの区域一帯あらゆる能力に制限が掛かるだけじゃ」

摩耶「どーゆーこと?」

灼羅「ぬっ…いつのまに」

摩耶「さっきからだよ」

天空音「やっぱり能力が激減してるですね」

花描「なんか…身体がだるい」

神姫「……」

灼羅「簡単にいえばあらゆる異能を霧散させつづけてる結界じゃ。身体強化、特殊能力、霊力、魔力…すべてを無力化する虚無結界というものじゃ。この界内にいると強制的に最低限に抑えられて、消費量は最大限に持ってかれるのじゃ」

摩耶「……そんな中にいて灼羅ちゃん達は平気なの?」

天空音「鍛え方が違うですよ」

揺光【っと、いっても居るだけでかなりの疲労感は事実じゃがな】

灼羅「終わったんじゃな」

揺光【うむ、完璧じゃ。】

千世子「じゃあ、今日のじゅぎょーをはじめるのだ……って、あんちんは?」

摩耶「悠君なら校庭の花壇で夕顔の鉢植えを羅列してたよ。ほら、窓から見える」

千世子「野菜の次は夕顔になったのだ…」

神姫「よっぽど土いじりが好きなのね。」

揺光【分からんでもないがのぅ。妾も悠を見ていたら精を出したくなる。精をのぅ。くっくっく】

神姫「千世子ちゃん、ちょっとジュース買いに行きましょうか」

千世子「うん?」

摩耶「じゃあ、ちょこちゃんがいったから、解ってるけど一応聞くね。農作業の話だよね」

揺光【ははは、勿論じゃ。種をまいて命を育てるという自然の営みの話じゃ】

灼羅「いい加減にせんか!!」

花描「……わかった」

天空音「どかしたですか?」

花描「今ここに一番足りないの「ツッコミ」だ。」

摩耶「確かに…」

天空音「そして今日も授業をせずに終わるのですね」
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