ー奇談ー學校へ行こう2

ー廊下(6/17/夜)ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業がはじまろうとしていた。

悠「悪いな無理いって」

灼羅「まったくじゃ。なんでわっちが勉学などしなければならない」

天空音「とかいいながら、ちゃんとお願いを聞いちゃう灼羅ちゃんなのですよ」

灼羅「う、うるさいぞ」

悠「……」

灼羅「なんじゃ?」

悠「それは、灼羅たんがおれに淡い恋心を抱いてると解釈しておっけーね?」

灼羅「一度、医者に見てもらえ。心が病んでいるからそんな妄想が浮かぶんじゃ」

悠「真顔でいわれた…」

天空音「ツンデレですよ」

灼羅「違う!」

悠「おれ、嫌われてるなぁ…」

灼羅「いや、嫌いというわけでは無くての…」

天空音「私は嫌いではないですよ。悠さんのこと」

悠「マジか。嬉しいな。ちなみにどんなところが?」

天空音「第三者から見てれば面白いところです」

悠「うーん…金木犀(キンモクセイ)の花が三軒隣くらいで咲いたらちょうどいい香みたいな感じか」

灼羅「実に分かりにくく、分かりやすい例えじゃな…」

悠「おっと、インターバルな会話をしているうちに教室についた」

「「インターバルな会話というか(のですか)?」」

悠「ちょっと待っててくれ先におれが入るから。」

灼羅「了解じゃ」

天空音「はーいです」





ー教室ー

悠「ぴよこ、いるか?」

千世子「もちろんなのだ!」

悠「そうか。昨日いってた生徒を連れてきたよ」

千世子「本当なのだ!」

悠「あぁ、紹介する。入って来てくれ」

揺光(幼)【くるしゅうない。妾が今日から一緒に學ぶ揺光じゃ】

悠「そう、揺光ってなんでじゃー!!」

揺光(幼)【やぁー、悠おにいたん。怖いのじゃー】

悠「今のお前の容姿が怖いわ」

揺光(幼)【なんと、こんなに幼い妾のどこが怖いのじゃ】

悠「っか、灼羅たんと天空音ちゃんは…」

灼羅「揺光ー!!!わっち等にいきなり封陣をかけるとはどういう了見じゃー!」

天空音「封陣って、すっごくペラペラの足止め程度でしたですけど」

揺光(幼)【やぁー、悠おにいたん。恐いのがきたのじゃ~】

悠「だから、お前が怖いっての…」

千世子「い、いったい何事なのだ。」

悠「よし、いったん皆、落ち着こうか。灼羅たんも尻尾を押さえて」

灼羅「ならん!一度揺光とは話をつけて…」

悠「……」
サワ…

灼羅「にゅっ…こ、こりゃ、尻尾の付け根はいかん…」

悠「……」
サワサワサワサワ…
サワサワサワサワ…

灼羅「んゅっ…耳をそんなふうに…いじっちゃ…ふぇ…しっぽと…どうじとかぁ…なでなでも…んんっ~」

揺光(幼)【チッ…】

天空音「蕩けてるです」

千世子「あんちんのナデナデはきょーい的なのだ。」
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