ー奇談ー學校へ行こう2

ー教室(5/3/夜)ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業がはじまろうとしていた。

悠「神姫ってプロレス好きだけどキン肉マンはどうだ?」

神姫「漫画は読んだわ。」

花描「意外だな」

神姫「身体能力でのぶつかりあい、リング上、外での駆引き、タッグならではの情熱。最高じゃない」

摩耶「悠くんは泥プロ大好きだよね?」

悠「そうだな。泥でねちょねちょになりながら女子が、くんずれほぐれるあのグチャグチャ感がたまらない」

神姫「私の中で普段は絶対にやらない投げ(つかみ)技があるんだけど……こうやって、チョーク(首絞め)をかけながら羽交い締めにして」

ガシッ!

悠「ぅえ?」

神姫「そのまま飛び上がって九十度回って叩き落とす!」

ギョリリリドッッッ!

悠「うげぇっ!?」

摩耶「ありゃ~。痛そう」
花描「受け身はとれないし胸から落ちるから死ぬほど痛いだろうな。肺は潰れるから呼吸も止まるだろうし」

千世子「そんなに凄いのだ?」

摩耶「うんとね、悠くんの体重が90キロとして、神姫さんの体重が仮に60キロとして、合計したら150キロ。飛び上がって捻りを加えて叩きつけてるから加わる圧は約5倍。150×5で750の圧力をまともにくらうわけだからね。床が木だから大分ましだけど……普通に死ねるよ」

千世子「あんちーん!!」

神姫「ドラゴン・チョーク・インパクト。私がこの技を使うなんて初めてよ。」

悠「……」

花描「流石に動かないな」

神姫「大丈夫よ。悠なら私の想い(ストレス)を受け止め(解消)てくれるから」

千世子「ほんとに平気なのだ?」

神姫「えぇ、だから気にしないで授業始めて」

千世子「……中世末期、科学が発達したヨーロッパでは悪魔の存在が徐々に低下していたのだ。けどベリアルの存在感はあまり衰えなかったのだ。その証拠に、ベリアルは15~18世紀ごろの書物にたびたび登場しているのだ」

悠「ピクピク…」

摩耶「瀕死の蟇(ひきがえる)みたい」

千世子「ベリアルの姿をいきいきと描いているのがジョン・ミルトンの失楽園なのだ。ミルトンはベリアルを「天から失われたもので、彼以上に端麗な天使は他にはいなかった」「生まれつき威厳に満ち、勇敢な行動力を誇る者のように見えていた」と絶賛しているのだ。」

悠「ピクピク」

神姫「……踏みたくなるわね」

花描「だめ押し?」

千世子「その一方でミルトンは、ベリアルの低俗な本性についても深い描写をしていて「悪徳にかけては勤勉そのものだが、善行にかけては怠惰で臆病であった」と叫弾しているのだ。以上、ベリアルのじゅぎょーだったのだ」
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