ー奇談ー學校へ行こう2

ー教室(5/2/夜)ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業がはじまろうとしていた。

千世子「あんちん登りなのだ~」

悠「あのなぁ…おれの髪の毛は縄じゃねぇっていだだだだだ!?」

花描「おー、子供がぶら下がっても平気か」

悠「平気じゃねぇ!抜ける抜ける抜ける!!」

摩耶「よし、じゃあ僕も挑戦しようかな。前から」

悠「なんでやねん!」

神姫「……」

摩耶「んゅ?なに?」

神姫「……いや、確認なんだけど摩耶くんて男の子よね?」

摩耶「僕はついてるほうだよ?」

悠「エロ談義ならおれを混ぜないとはじまらないだろ。さぁ、なんだ今日は男の娘に…」

神姫「……」

ピシッ!ドンッ!ピシッ!ドンッ!
ピシッ!ドンッ!ピシッ!ドンッ!
ピシッ!ドンッ!ピシッ!ドンッ!
ピシッ!ドンッ!ピシッ!ドンッ!

悠「……」

摩耶「ガンツのZガン撃たれたみたいになっちゃったよ。」

花描「完全に床にめり込んでるな」

神姫「久々に連発したわ。」

千世子「あんちん大丈夫なのだ?」

神姫「死んではないんじゃない?」

悠「……」

摩耶「ボケもなにもしないから落ちてるっぽいよ」

花描「落ちるときは簡単に落ちるよな」

神姫「ほっときなさいよ。」

千世子「じゃあ、ほっといてじゅぎょーするのだ。古代イスラエルの王「ソロモン王」が書いたとされる書物「レメゲトン」では、ベリアルはソロモン王によって封印された72体の魔神のひとりに数えられている。「レメゲトン」のなかでベリアルは、50または80の悪魔軍団を率いる悪魔の騎士として描かれているのだ。天使だったころのベリアルは、天使九階級のうち五番目の階級である力天使(ヴァーチュー)の支配者であったというのだ。」

摩耶「力天使……金剛くんかな」

悠「天使ではないだろ天使では…」

花描「あ、生きてた」

悠「巨乳でツインテの死神がサボってたおかげで帰ってこれたよ」

千世子「「レメゲトン」によれば、召喚されたベリアルは炎の戦車に乗った美しい天使として現れ、耳障りのよい声で話す。しかし、この外見はベリアルが堕天する前のなごりであり、結局は誤魔化しの姿であるに過ぎないのだ。」

神姫「気分は?」

悠「非常に痛いです」

千世子「ベリアルは自らを召喚した魔術師に様々な恩恵を与えてくれるが、召喚する際にはかならず生け贄と捧げ物を用意しなければならないのだ。これをおこたると、ベリアルは嘘ばかりを吐いて役に立たない。」

神姫「誰かさんとそっくりね。」

悠「なんでわしゃを見るんじゃい」

千世子「また、たとえ生け贄を捧げても、ベリアルはかならず召喚者との約束を破るというのだ。ベリアルが誠実に召喚者にむくいるのは、彼が特に気に入った召喚者に対してだけであるのだ」
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