ー奇談ー學校へ行こう2

ー教室(5/1/夜)ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業がはじまろうとしていた。

神姫「悠、問題よ」

悠「あー?」

神姫「絶対に解決不可能な殺人はあると思う?」

悠「無い。」

摩耶「即答したね」

千世子「なんでなのだ?」

悠「殺人ってことに拘らなくても、それは起こった事なんだろ。無から有が生まれないように、現象には必ずその経緯があるからだ。」

神姫「なるほどね」

悠「っか、なんの質問なんだ?」

神姫「ただの思い付いたからの質問」

悠「……神姫もときどきバカっぽ…ぐぶっ!!」

ピシッドシャ!

神姫「なに?」

悠「い、いえ…今日もみめ麗しく崇高でいらっしゃるですはい…」

花描「これも経緯がある現象なのか?」

摩耶「さぁ~」

千世子「じゃあ、あんちんがぺしゃんこになるまえにじゅぎょー開始なのだ。ベリアルという名前は、サタン(悪魔の王)の別名であったり、悪の存在そのものを指す一般名詞と見なされることもあるのだ。たとえば、新約聖書に収録された文書「コリント信者への手紙」には「キリストとベリアルにどんな調和がありますか」という一節があり、ベリアルがイエスと対になる存在、つまり悪の王だと見られていたことがわかるのだ。」

悠「痛ってて…何回おれはここの床とキスしなくちゃいけないんだ」

神姫「拒否られないからいいじゃない」

悠「無機物はちょっと…」

花描「もしかして扉が開きにくいのもピエロくんが孕ましたからか…」

悠「だから、無機物はちょっと…」

摩耶「無機物の問題?」

千世子「また、新約聖書外典「バルトロマイの福音書」にもベリアルが登場するのだ。このなかで彼は、イエスの助けを借りた十二使徒の一人「バルトロマイ」に首を踏みつけられ、自身の経歴について白状させられているのだ。」

悠「あーも…指の皮剥けちゃってるし」

摩耶「アムッ…チュッ…ん、血を止まった?」

悠「一瞬心臓も止まりかけたわ。」

摩耶「あはは。照れない、照れない」

悠「ちゃうから」

千世子「それによるとベリアルは、神が火を用いて最初に創造した天使「サタナエル」だった。ところが、ベリアルは自分が神に作られたことを否定してしまい、その時から彼の名はサタンとなったというのだ。」

神姫「……気をつけないと牛乳的なものをぶっかけられるわよ」

悠「やめんかい」

摩耶「ミルクは好きだけど、悠くんの濃いミルクはちょっと困るなぁ」

悠「摩耶!?」

千世子「この記述からは、ベリアルとサタンが同一人物だとみなされていたことが伺えるのだ。今日はここまで続きは次回なのだ。」
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