ー奇談ー學校へ行こう2

ー教室(4/30/夜)ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業がはじまろうとしていた。

悠「四月最後だな」

摩耶「だね。月日がたつのは早い早い」

千世子「そんな今日もしっかりじゅぎょーなのだ」

【ベリアル】
舌先ひとつで国すら動かす

花描「舌先八寸のピエロ君みたいだな」

悠「誰が嘘つき魔だ」

神姫「自分でいってどうするのよ」

千世子「ベリアルは、キリスト教やユダヤ教で古くから信じられている堕天使なのだ。彼の名前は、古代イスラエルの言語である古代ヘブライ語で「無価値な」「無益な」という意味なのだ」

花描「なんとも悪魔らしい意味をもってるな」

千世子「また、ベリアルは七つの大罪のうち「傲慢」をつかさどる悪魔として、ルシファーのかわりに置かれる場合もあるのだ。」

神姫「七つの大罪なのに増えたわね」

悠「七不思議だって七以上あっても七不思議っていうだろ」

摩耶「どんな例え?」

千世子「ベリアルは美しい外見と優しい声音を備え、話術の天才として知られるのだ。だが、それはあくまでうわべだけの話であり、内面は裏切り、無謀、嘘といった悪徳ばかりで満たされているのだ。」

摩耶「……」
花描「……」
神姫「……」

悠「全員でおれをみるな」

千世子「彼は平然と嘘をつき、人間を騙して堕落させるのだ。その際ベリアルは、人間の過度の姦淫、性的倒錯(同性愛、男色、獣姦)などで堕落させることをこのむのだ。また、国家の王や議員にとりいって、国を内部から腐敗させるのもベリアルの得意技なのだ」

摩耶「内部から壊すのは悠くんもやるよね」

悠「とりいったりはしないぞ」

千世子「聖書に登場する有名な街「ソドムとゴモラ」を姦淫によって堕落させたのはベリアルのしわざだと書かれているのだ。」

悠「ソドムとゴモラ。ラピュタを思い出したやつ、挙手……無視はやめろよ」

千世子「ユダヤの伝承として14世紀頃に広まった説によると、ベリアルはルシファーの次に創造された天使だったというのだ。生まれたときにすでに邪悪であった彼は、神に背いた最初の天使のひとりとして天国から地上に落ち、悪の化身となったのだ。」

悠「最初から邪悪ならあるいみ転職だな」

千世子「ベリアルは古代から中世にかけてもっとも有名だった悪魔のひとりであり、サタンやルシファーが悪魔の王として見られるようになるまでは、彼こそが悪魔の代表と見られていたこともあったのだ。」

摩耶「だから傲慢をつかさどる悪魔として代わる場合があるんだね」

千世子「とりあえず今日はここまで、続きは次回なのだ」
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