ー奇談ー學校へ行こう2

ー教室(4/27/夜)ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業がはじまろうとしていた。

悠「ぴよこ、イチゴ好きか?」

千世子「果物は大好きなのだ。けどドリアンは大嫌いなのだ」

悠「ドリアン美味いけどなぁ」

神姫「私は無理だわ」

摩耶「ぼくも苦手かな。」

花描「名前は知ってるけど食ったことないな。」

悠「ドリアン談義は置いといてだ。リッカからイチゴもらった(売りつけられた)んだが食うか?」

千世子「はい、食べますのだ!」

悠「よろしい。ほら、お食べ。」

千世子「あ~んぱくっ!」

摩耶「こうやって落とし込むんだね」

花描「なるほどなー」

悠「変な納得すんな。」

神姫「っていうか餌付けよね」

悠「ぴよこはペットか」

千世子「千世子はペットじゃ無いのだ。誇り高き魔族の末裔なのだ」

悠「そういや、リッカで思い出したんだけど」

千世子「無視しちゃだめなのだー!」

悠「ロバート・ジョンソンってしってるか?」

摩耶「果物屋さん?」

悠「いや、アメリカの悪魔と契約したギタリストの名前だ。」

花描「ジョンソンってあれか、1930年代に活躍したブルースミュージック界の巨人って呼ばれてた」

悠「それだ。」

神姫「そのジョンソンが悪魔と契約したの?」

悠「ある日ジョンソンはミュージシャンとしての限界を感じで十字路に呆然とたたずんでいた。日が沈み、夜の闇が辺りを包んでいたところに、悪魔はジョンソンの前に現れた。そして、ジョンソンは悪魔と契約し、おのれの魂と引き換えに、ギターテクニックを手に入れたんだ。」

摩耶「それ、ほんと?」

悠「天才的な技術を身に付けたジョンソンは人々を魅了した。そのあまりの変貌ぶりに、周囲の人間は「ジョンソンは悪魔と契約した」とささやきあったらしい。活躍を続けるジョンソンだったが、1938年に27歳の若さで急死してる。原因はジョンソンは人妻と不倫関係になって、不倫相手の夫に毒殺されたんだ。」

花描「そいつは気の毒だな。自業自得な気もするが」

悠「この死に対して人々は「悪魔との契約が実行された」と噂した。」

千世子「悪魔と契約した人間は、必ず悪魔に殺されると信じられていたのだ。」

悠「このエピソードは、ジョンソンが十字路(クロスロード)で悪魔と契約したことから「クロスロード伝説」と呼ばれ、アメリカ各地で語り継がれるようになった。クロスロードの伝説の噂を知ってか知らずか「十字路で悪魔と契約する儀式」を教える、自称「呪術師」まで現れたんだ。その呪術師いわく「十字路に現れる悪魔は人間の才能を呼び起こしてくれる霊的存在」であり、呪術師自身も「十字路の悪魔」と契約してるらしい。」
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