ー奇談ー學校へ行こう2

ー教室(4/26/夜)ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業がはじまろうとしていた。

悠「おい、ぴよこ。これ店のあまりもんだけど食うか?」

千世子「はい!食べます食べます!あんちんのくれるお菓子は大好きなのだ。」

悠「そうか、そうか。」

摩耶「ちょこちゃんは悠くん好き?」

千世子「あんちん大好きなのだ!」

神姫「よかったわね。ペド野郎」

花描「よかったなピエロリくん。」

悠「あのなぁ…」

千世子「じゃあ、オヤツタイム…じゃなくて、じゅぎょーなのだ」

【マモン】
金目のものが大好き

摩耶「マモンはなんの罪だっけ?」

千世子「マモンは「強欲」を司る悪魔なのだ。」

神姫「…ジッ」

悠「こっち見るな。」

神姫「なに?」

悠「いや、神姫さんの瞳に射抜かれ…もとい見つめられると照れるから」

千世子「その姿は、人間の体に、烏の双頭をもつ黒い悪魔として描かれることが多いのだ。「マンモン」「アマイモン」という別名ももっているのだ。」

摩耶「悠くんは烏じゃなく猫?」

悠「双頭の猫はちょっとなぁ…」

千世子「この悪魔は「強欲」の化身といわれるだけあり、とにかく金銀宝石にしか興味がないというのだ。そして人間がお金や富に執着するようにしむける。人間に金脈を掘る手段を教えたのもマモンだというのだ。」

悠「ほれ、おれは強欲じゃないぞ。金にほぼ執着ないし」

神姫「物欲の塊でしょ。」

悠「……」

千世子「お金に執着する守銭奴なはずのマモンだが、不思議なことに、人間に召喚されると、命とひきかえに金銀財宝を授けるとされているのだ。」

神姫「命の方が価値が高いのから?」

千世子「ちがうのだ。人間に授けた宝はしばらくすると馬糞や灰に変わってしまうからなのだ。マモンは最初から本物の財宝など渡す気はなく、タダで人間の魂を手にいれているのだ。」

悠「ミハイルみたいなやつだな。いや、むしろミハイルが悪魔か…」

千世子「マモンはミルトンの「失楽園」でも強欲の象徴として描かれてるのだ。マモンは天使時代から金銀財宝にしか興味がなかったのだ。彼は地獄に落とされたとき、嫌がるどころか喜んだというのだ。」

花描「なんでだ?」

千世子「地獄には非常に豊かな金脈があったからなのだ。マモンは地獄に落ちると、さっそく部隊を率いて地獄を巡り、金脈を堀当てたのだ。」

神姫「転んでもタダでは起きないが極まってるわね…」

千世子「マモンが金脈を掘りあてた一帯には、悪魔たちの住処である「万魔殿(パンデモニウム)」が建てられ、その内装にはマモンの掘りあてた様々な財宝があしらわれたというのだ。以上、マモンのじゅぎょーだったのだ」
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