ｰ教室ｰ

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「前回までのあらすじ!教室に馬が現れた!」

摩耶「いや、あらすじもなにもないよね。」

神姫「現在進行形のことだし」

悠「はい」

馬『ブルルッ、ガシガシ』

サタン「よく食べるのだ」

千世子「めっちゃレタス食べてるのだ」

悠「なんでスレイプニル(仮)が居るんだろうな」

亘理『スレイプニルってなに?』

千世子「オーディンに献上された馬なのだ、凄く速くて空も飛べるのだ。」

亘理『じゃあ、オーディンさんの馬?』

悠「軽くオーディンさんとかいうが神だぞ、オーディンって」

カンダラ『はい?』

悠「神っていったがおめぇじゃねぇから!」

カンダラ『フシュルルッ』
ズリリッ!
悠「やだ、締め付けられてるっ!」

摩耶「交尾後にオスを絞め殺すアナコンダがいるらしいね。」

悠「なんで今その話した?」

摩耶「なんとなく」

神姫「生きたまま丸呑みにされるか、絞殺されてから呑まれるか……二択ね。」

悠「生゛き゛た゛い゛っ!」

馬『ブルルッ』

サタン「よしよし、なかなかいい馬なのだ。気にいったのだ。」

悠「食うのか?」
メリリッ
カンダラ『……』

スキュラ「現在進行形で捕食されそうなのは悠さんですけどね。……大丈夫ですか?」

悠「この骨がきしむ音と口から内蔵を吐きだしそうなおれの顔色を見て察してくれ。」

摩耶「余裕だね!」

悠「やだ、摩耶きゃんのおれに対する耐久力の期待が高すぎる。」

サタン「この馬、欲しいのだ」

スキュラ「はぁ……でも、どこで飼うんですか?」

サタン「……」
チラッ

悠「あのさぁ、こういうっ……時ばかりぃッ……おれを見るぅッ……んじゃないよ……!」
ギチギチ
カンダラ『……』

摩耶「わぁ、本当に耐えてる」

神姫「既に首から足まで巻かれてるのにね。」

亘理『え、スゴイ……えっ、凄くない?』

千世子「でも、馬小屋とかないのだ」

サタン「建てればいいのだ」

スキュラ「誰がですか?」

サタン「……」
チラッ

悠「ふーーっ……どっせいっ!」
ぶんっ!
カンダラ『ああっ!逃げられた!』

悠「ぜぇぜぇ……年が明ける前に蛇に絞殺されてたまるか!」

摩耶「めっちゃ絞めあとついてる」

神姫「鱗から毒が滲み出るタイプだったら死んでたわね。」

千世子「……あれ?馬がいなくなってるのだ」

サタン「えっ!?ホントなのだ!もー!」
ベシベシッ
悠「なんでや!なんでおれを叩くんだ!」