ー奇談ー學校へ行こう(2)7
ー教室ー
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。
悠「キンキンに冷えてやがる!」
摩耶「室内がね。」
悠「電気毛布用意しててよかったァ~。」
神姫「ストーブもあるしそこまで必須ではないでしょ。」
悠「電気毛布+ストーブのコンボだ」
摩耶「火だるまになるそう」
千世子「はーい、じゅぎょーしますなのだ。前回の続きからで、ある時、彼はカスティリア(現在のスペイン)のペドロ一世に乞われて南欧へ大遠征をしました。エドワード王子の参戦により戦況はペドロ一世に有利に傾き、そのお礼としてペドロ一世からこの石を送られたといわれているのだ。」
悠「ストーブってそれが怖いよな。つけっぱなしで寝て引火して火事になる。」
亘理『ストーブをつけっぱなしで寝たらだめだよ』
悠「凍死する危険性があるじゃん」
摩耶「凍死なら個人だけど、火事だと周りに被害が出るでしょ。」
神姫「迷惑かけるんじゃないわよ」
悠「火事起こしてませんけど?!」
千世子「「黒太子」というニックネームは、エドワード王子が黒い甲冑を愛用し、ひとたび戦に出ると返り血で全身が真っ黒に見えるほど勇猛果敢に戦ったことからついたといわれていますが、実はこのエピソードは彼を畏怖した後世のひと達による創作との説もあるのだ。」
スキュラ「そもそも起こしてからだと遅いですよね。」
悠「そらそうだ。やっぱり電気毛布とコタツが最高だな」
亘理『茹りそう』
摩耶「汗かいて風邪ひきそう」
悠「おれは今まで引いてないから平気平気」
千世子「ともあれ、エドワード王子が英国に持ち帰った石は、いつしか「黒太子のルビー」と呼ばれるようになったのだ。のちに勃発した百年戦争の最中、当時のイングランド王・ヘンリー5世がこの石を兜に憑りつけ出陣したところ、敵将に襲われて兜を叩き割られてしまったのだ。しかし、不思議なことに石と本人は全くの無傷だったそうなのだ。」
神姫「いつか手痛いしっぺ返しを食らうタイプよね。」
悠「痛い目には散々あってきてるけど」
亘理『威張ることじゃないよね。』
悠「優しく包み込んでくれる電気毛布がおれの救い……。」
摩耶「やっすい救いだなぁ」
千世子「以来、この石は英国王室の宝重として大切に扱われ、ルビーではないと判った現在でも、王家の宝冠の中で色あせることもなく美しく輝き続けているのだ。以上、黒太子のルビーのじゅぎょーだったのだ。」
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。
悠「キンキンに冷えてやがる!」
摩耶「室内がね。」
悠「電気毛布用意しててよかったァ~。」
神姫「ストーブもあるしそこまで必須ではないでしょ。」
悠「電気毛布+ストーブのコンボだ」
摩耶「火だるまになるそう」
千世子「はーい、じゅぎょーしますなのだ。前回の続きからで、ある時、彼はカスティリア(現在のスペイン)のペドロ一世に乞われて南欧へ大遠征をしました。エドワード王子の参戦により戦況はペドロ一世に有利に傾き、そのお礼としてペドロ一世からこの石を送られたといわれているのだ。」
悠「ストーブってそれが怖いよな。つけっぱなしで寝て引火して火事になる。」
亘理『ストーブをつけっぱなしで寝たらだめだよ』
悠「凍死する危険性があるじゃん」
摩耶「凍死なら個人だけど、火事だと周りに被害が出るでしょ。」
神姫「迷惑かけるんじゃないわよ」
悠「火事起こしてませんけど?!」
千世子「「黒太子」というニックネームは、エドワード王子が黒い甲冑を愛用し、ひとたび戦に出ると返り血で全身が真っ黒に見えるほど勇猛果敢に戦ったことからついたといわれていますが、実はこのエピソードは彼を畏怖した後世のひと達による創作との説もあるのだ。」
スキュラ「そもそも起こしてからだと遅いですよね。」
悠「そらそうだ。やっぱり電気毛布とコタツが最高だな」
亘理『茹りそう』
摩耶「汗かいて風邪ひきそう」
悠「おれは今まで引いてないから平気平気」
千世子「ともあれ、エドワード王子が英国に持ち帰った石は、いつしか「黒太子のルビー」と呼ばれるようになったのだ。のちに勃発した百年戦争の最中、当時のイングランド王・ヘンリー5世がこの石を兜に憑りつけ出陣したところ、敵将に襲われて兜を叩き割られてしまったのだ。しかし、不思議なことに石と本人は全くの無傷だったそうなのだ。」
神姫「いつか手痛いしっぺ返しを食らうタイプよね。」
悠「痛い目には散々あってきてるけど」
亘理『威張ることじゃないよね。』
悠「優しく包み込んでくれる電気毛布がおれの救い……。」
摩耶「やっすい救いだなぁ」
千世子「以来、この石は英国王室の宝重として大切に扱われ、ルビーではないと判った現在でも、王家の宝冠の中で色あせることもなく美しく輝き続けているのだ。以上、黒太子のルビーのじゅぎょーだったのだ。」