ー奇談ー學校へ行こう2

ー教室(4/23/夜)ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業がはじまろうとしていた。

悠「たまには授業サボりたいな」

千世子「千世子のまえでどうどうとなにいってるのだ!?」

悠「いいじゃんかよ~。たまにゃ駄弁ろうぜ~」

ナデコナデコ

千世子「し、しょうがないのだな~あんちんは」

摩耶「悠くんのナデナデは強力だね~」

神姫「動物扱いな気もするけどね。」

悠「なんだよ。じゃあ、たまにはおれが悪魔の話をしてやろう。」

神姫「別に聞きたくないわ。」

悠「容赦ねぇな…」

摩耶「柏さんって落ち?」

悠「あんな悪魔は悪魔でも悪魔違いだよ!」

花描「意味がわからないぞ」

千世子「あんちんは悪魔と知り合いなのだ?」

悠「まぁ、知り合いっちゃあ…知り合いかな…じゃなくて、おれが言いたいのはウクライナの空を駆ける黒い悪魔だよ」

千世子「ウクライナの?」

悠「第二次世界大戦当時、ウクライナの空には悪魔が飛んでたんだ。この悪魔は角も尻尾もなかったが、機械の翼を持っていたんだ。この悪魔こそ、ソ連空軍から「黒い悪魔」と恐れられたドイツ空軍のエース「エーリッヒ・ハルトマン」そのひとだ!」

千世子「えーりっひ・はるとまん?」

悠「こいつが黒い悪魔って呼ばれた理由は、乗機の機首に描かれた黒いチューリップだ。ハルトマンはドイツ空軍の撃墜記録約352機を、若干23歳で達成したんだぞ」

花描「ピエロくんて軍治マニアだったか?」

悠「ほどほどかな。」

千世子「そのはるとまんってどんな人なのだ?」

悠「ハルトマンは世界大戦真っ只中の1940年に空軍に志願し、軍属になった。教育訓練を終えたハルトマンは1942年10月に東部戦線の第52戦闘航空団へ配属され、敗戦までのほとんどの期間をこの部隊で過ごしている。 童顔だったことから、部隊でハルトマンは「坊や」という意味の「ブービー」と呼ばれてたんだ。」

摩耶「悠くんもブービーだよね」

悠「……言うな」

神姫「童顔なの?」

悠「……えーとハルトマンは1405回の出撃で「一撃離脱戦法」って戦い方を用いて、ソ連空軍の戦闘機を約352機撃墜した。約16回の被撃墜があったものの、一度も負傷したことがない実績も残してるんだ」

神姫「童顔なのね」

花描「あの髪型はそれを隠すためか?」

摩耶「色々じゃないかな。」

悠「うるへーうるへー!」

千世子「一撃離脱戦法ってなんなのだ?」

悠「簡単だよ「敵戦闘機を相手よりも先に発見し、奇襲するためには敵に悟られぬように可能な限り接近する。そして機関銃および機関砲を至近距離から敵機に掃射し、その後高速で離脱する」ってもんだ。」

摩耶「シンプルだけど実に効果的だね」

千世子「ふーん…」

悠「お、もうこんな時間か…じゃ、帰るか」
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