ー奇談ー學校へ行こう(2)7

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「マインドステアってワードなんかいいよな」

亘理『よくわかんない』

摩耶「悠君の言ってることは理解すると頭おかしくなるよ。」

悠「おれはネクロノミコンか何かか」

【黒太子のルビー】

千世子「はいじゃあ、じゅぎょーしますなのだ。ロンドン塔の一角に置かれたケースの中、英国王家の宝冠にこの石は填まっているのだ。無数のメレ・ダイヤや大きなサファイア「レッサー・スター・オブ・アフリカ」……俗に「カリナン2」と呼ばれる子供の拳ほどもあるダイヤと共に、常に強烈な存在感を放っているのだ。カラット数317.4のこの石は、まず間違いなく世界最大級のルビーと言えるのだ……これが本物のルビーであれば、だけど。」

悠「はーい、用意スタート(ねっとり)」

摩耶「もう始まってる」

亘理『なにこのやりとり?!』

神姫「無視しときなさい」

悠「まぁ、これ以上なにかあるってことでもないしな。」

千世子「実は「黒太子のルビー」と呼ばれる石の正体は、スピネルなのだ。色味があまりにもルビーとそっくりで、しかも同じ花崗岩や変成岩中から発見されることがとても多かったため、近代になって精密な顕微鏡ができるまではスピネルとルビーが間違えられるのはよくあることなのだ。」

悠「スピネルってなんか美味そうだよな」

ベヒモス「実際美味しいモス」

悠「あっ、ガチの意味ではないのでございます」

サタン「じゃあどういう意味なのだ。」

悠「字面の雰囲気」

千世子「この「黒太子のルビー」と並んで高名な「ティムール・ルビー」もまた、現在ではスピネルであることが確認されているのだ。」

摩耶「悠くんをしっかりと理解しようとすると頭おかしいなるで(二回目)」

悠「なんで二回も言う必要があるんだ」

神姫「注意喚起でしょ」

悠「なるほど」

亘理『納得しちゃうの?!』

千世子「この一風変わった「代役」の名の由来は、14世紀に活躍した一人の王子なのだ。彼は時のイングランド王子エドワード三世の長子で、父と同じエドワードという名だったのだ。」

悠「おれも宝石にシャイン・スパークとかストナー・サンシャインってつけたいな」

摩耶「ゲッター線が溢れ出てそう」

神姫「放射能よりヤバい物を放出してるわね。」

悠「ゲッター線に導かれるのだ」

亘理『なんかコワイ』

千世子「知略にたけ優秀な軍人であった彼は、16歳で初陣してから47歳で病に倒れるまで、その生涯のほとんどを戦場で過ごしたのだ。起用はここまでで続きは次回なのだ。」
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