ー奇談ー學校へ行こう(2)6

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

サタン「ちょっと見るのだ。我が力の調整方法を教えて人間形態になれるようになったのだ。」

蛇頭の女性『……』

悠「なんだっけな、なんかのゲームでこういう雑魚敵見たことある。」

蛇頭の女性『くあぁー!』
ビュッ、ガチンッ!
バッ
悠「エピタフ(墓碑銘)!」

摩耶「おお、首の噛みつきを避けた。」

【アイルズド・アイ】

千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。鉱物中最高硬度を誇るダイヤモンドでも、サイズが大きくなればなるほど傷や内包物が増え透明感が下がってしまうという欠点からは逃れられないのだ。」

神姫「まぁ、あの作りならぶん殴ってきたり蹴ったりしてくるよりは頭部を伸ばして噛みつくわよね。」

亘理『というか、人の身体の部分いる?』

摩耶「まぁ、頭が人間であとは蛇よりはいいんじゃないかな。」

スキュラ「文字通りの蛇女ですね。」

悠「というか、この姿も邪神の使いって感じだけどな」

千世子「そんな中、この「アイルズド・アイ」はまさしく奇跡的といっていい存在なのだ。70.20カラットという大きさにもかかわらず、純度は最高クラスのフローレンス、特に目立った傷や内包物も見当たらない、澄んだ名宝。楕円でもなく、三角形でもない。それでいて、どちらにも見える、そんな不思議なフォルムの石なのだ。」

蛇神『ふしゅるるっ』
ズリリッ

サタン「ああ、また蛇の姿になったのだ。せっかく教えてあげたのに」

蛇神『邪神の使いとかいわれてたら嫌でしょう!私、神聖ですよ!』

悠「神聖が魔王に教わってたら世話ないわな。」

蛇神『ふしゅるるっ!』

千世子「そのためでしょうか?この石はかつてインドの片隅にある寺院で仏像の眼にはめ込まれ、篤い信仰の対象となっていたという伝説が残されているのだ。そのため、いつしか人々はこの石を、偶像の目……「アイルズド・アイ」と呼ぶようになったのだ。」

悠「めっちゃ威嚇された」

摩耶「余計なこと言うから」

神姫「まぁ、正論なんだけど、。」

悠「そもそもこの校舎内で魔属性以外っているのか?」

亘理『はい!』

悠「怨念で妖怪化したつが何言ってる。」

亘理『ガリッ!』
悠「噛まれたでござる。」

千世子「この石の歴史は終始ロマンチックな伝説で満ちているのだ。何番目かの主、カシミールのスルタンがオスマン・トルコ帝国のスルタンによって、恋人のラクシャータ姫を奪われてしまうのだ。カシミールのスルタンは嘆き悲しみ、「どんなものでも引き換えにするから彼女を返してほしい」と懇願。これをきいたオスマン・トルコのスルタンは「ならば、貴国の宝であるアイルズド・アイをよこせ」と迫ったのだ。泣く泣くカシミールのスルタンこれを承諾したと言い伝えられているのだ。今日はここまでで続きは次回なのだ。」
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