ー奇談ー學校へ行こう2

ー教室(4/22/夜)ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業がはじまろうとしていた。

悠「最近寝てると金縛りになるんだよな」

花描「なにかに憑かれたか?」

悠「まさか…」

摩耶「金縛りの原因て閉眼型と開眼型の睡眠麻痺だよね。」

千世子「それじゃー今日はアスモデウス最後のじゅぎょーなのだ。アスモデウスのルーツについて、アスモデウスはこれまでペルシアの宗教「ゾロアスター教の悪魔「アエーシェマ」から発生した肉欲の悪魔「アエーシュマ・ダエーワ」が元になった悪魔だといわれていたのだ。」

花描「金縛りじゃなく物理的に誰かに乗られてるんじゃないか?」

悠「それはそれで怖いな…っか、誰に乗られるんだ」
摩耶「バロン?」

悠「金縛る前に潰れるて…」

神姫「じゃあこの世ならざるものと関連づけでの金縛りなんじゃない?」

悠「リアル金縛り!?」

千世子「しかし、ゾロアスター教の資料には「アエーシュマ・ダエーワ」という名前がないことから、この説に反発する意見もあるのだ。現在では、ヘブライ語で「滅ぼす」「破壊」などを意味する「シャーマド」を語源とし、ユダヤの民間信仰の中で独自に発展した悪魔だという説が有力なのだ。」

悠「神姫は現実主義者っぽいのにあの世とかいうんだな。」

神姫「あの世のものがこの世に侵食した際に生じる領域の加重…あの世とこの世が重なりあえばその重みで動けなくなるのが金縛り。異能の中に「領域の加重」ってのがあるのをお父さんから聞いたことあるわ。」

悠「……マジ?」

神姫「……」

千世子「アスモデウスは召喚によって呼び出したとき、丁寧に対応すれば、正直に召喚者の質問に答えるとされていたのだ。」

摩耶「どんな風に?」

千世子「召喚者はまずアスモデウスに対して、竜から降り、冠をとるように厳しく命じるのだ。そして「汝はアスモデウスか?」とたずねる。このときアスモデウスが素直に返答したなら、アスモデウスは正直に召喚者の質問に答えていると判断されたのだ。」

悠「えぇ…なにおれ異能者に呪われてるの?」

神姫「例え話よ。」

悠「例えが具体的に怖い」

千世子「アスモデウスは天文学、算術、幾何学にくわしく、さらに召喚者にさまざまな効果を持つ指環を与えるというのだ。また、宝のありかや、透明人間になる術も教えてくれるのだ。」

花描「悪魔との契約ってやつか」

摩耶「僕と契約して悪魔憑きになってよ」

千世子「魔術師を自認するものたちは、こぞってアスモデウスを召喚しようとしたとつたえられてるのだ。以上、アスモデウスのじゅぎょーだったのだ」
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