ー奇談ー學校へ行こう(2)6

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

蛇神『具体的な姿…。』

悠「そうだ。絵でも何でもいいから書いてみろ」

蛇神『絵なんて描いたことありません』

悠「じゃあ、おれが書いてやるよ。まず蛇の神っていったらカラーリングは白だな。」

摩耶「白巳ちゃん定期」

【リージェント】

千世子「じゃあ、こっちはじゅぎょーするのだ。フランス王室の名宝「リージェント」。このダイヤには誕生の時から血なまぐさい逸話が付きまとっていたのだ。」

悠「で、強靭な手足、手先と足先は白に栄える赤色。伸びた首と蛇腹、頭は蛇をイメージしつつ丸みとえらをつけて……完成!これでどうだ!」

蛇神『……』

サタン「これトカゲなのだ?ただ、なんか頭が卑猥な形してるのだ。」

スキュラ「文字通りの亀頭ですね。」

摩耶「これあれだ。女神転生のミジャグジさまだね」

千世子「1700年代のインド・ゴルコンダの鉱山で、この石の原石をとある男が発見するのだ。当時410カラット余だったというその巨大さに心を奪われた彼は、誰にもこれを取られないようにと自分のふくらはぎを傷つけ、その中にダイヤモンドを埋め込んで鉱山を逃走を図るのだ。そのまま港から船に乗ろうとしたのですが、彼は船長にダイヤを奪われ海に投げ込まれてしまうのだ。」

悠「どうよ、威厳と強さと艶やかさを……」

蛇神『……』
メキキキッ!
悠「ぐきゃぁぁぁっ!」

摩耶「ああ、ついに四肢を拘束からの引きちぎられ始めだね。」

メフィスト「この絵の通りにスればいいんデスか?」

蛇神『違います!』

千世子「ダイヤは船長の手からインドの商人たちへと売り渡され、そこから当時のマドラス(インドの都市のひとつ)総督トーマス・ピットの手へと渡っていったのだ。彼はイギリスでこの石を研磨させ、ここに現在と同じ140.50カラットの希少なダイヤモンドが誕生したのだ。このときは、トーマス・ピットの名にちなみ「ピット・ダイヤモンド」と呼ばれていたらしいのだ。」

神姫「っていうか、うるさいんだけど」

悠「うるさいって、悠くんがダルマになりかけているんだけど」

摩耶「自業自得だけどね。」

悠「でも、蛇の神様だし」

蛇神『だからって頭が亀頭になりたいと思うのかぁァッ!』
メリリッ
悠「ああ、ダメダメ、ホントに千切れる。千切れる!」

千世子「この石が「リージェント」と名付けられたのは、その後に競売にかけられ、フランスの摂政(リージェント)であったオルレアン公爵フィリップに競り落とされたためなのだ。今日はここまでで続きは次回なのだ。」
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