ｰ教室ｰ

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「さてと、ちょっと蒸し暑いしかき氷でも食べに行くか」

蛇神『……』
ズオォ!
ビュッビュッ!
悠「フンッ!見えるぞ、未来の軌道が!キングクリムゾン!」

蛇神『……』
ガシッ!
悠「んー……四本は卑怯臭いなぁ。二本捌けても死角から伸びてくるんだもんなぁ。」

摩耶「逃がしはしないという意思!」

蛇神『なぜぇー何事もなかったようにぃー帰ろうとしているのでいすかぁー、はぁー』

悠「あれ、おれ喰われそう?頭から飲まれそう?」

亘理『先に身体を引きちぎられそうかな』

千世子「映画とかだったら次のシーンでグロシーン待ったなしなのだ。」

悠「だって一般人のおれらにどうしろというんだ。これ以上、どうにもできない。」

神姫「事実ではあるわね。」

摩耶「まぁね。」

悠「というか、もうメフィスト呼んで来い、メフィスト、あれならどうにでもできるだろ。」

亘理『呼んでくるね。』
ズボッ

蛇神『しくしく、しくしく』
メリリッ
悠「おれの身体を引きちぎらんばかりに力込めながら泣くのやめてもらえませんかね。」

摩耶「貴様は磔刑だぁー!」

悠「殉教はしたくない!」

神姫「何に信仰して、迫害されてるってのよ。」

悠「何にも信仰はしてないけど邪神に殺されかけてはいる」

蛇神『蛇神です!』
ガシッ!
悠「はい、スイマセン。首を引っこ抜こうとするのはやめてくだしゃい。」

摩耶「手が四本あると腕を引っ張りつつ頭も引っ張れる。便利だね。」

千世子「四本欲しいのだ?」

摩耶「いや、いらないかな」

メフィスト「なんデスか?いきなり呼ばれたのデスが……。おー、ラスボス戦デスね!」

悠「なんとなく言いたいことは分かるけど、この邪神どうにかしてやってくんない?さもないとおれがアナスイにダイバーダウンぶちかまされるよりひどい状態になる。」

蛇神『しくしく、しくしく』

メフィスト「……どうシろと?」

千世子「蛇神さんが邪神みたいになったから、ちゃんとした蛇神の姿になりたいって泣いてるのだ。」

メフィスト「ン～……そもそもちゃんとした蛇神の姿ってなんデスか?」

悠「ほら、みんなそこで引っかかってるんだよ。泣いてひとの事引っこ抜こうとしてばかりでなく、もうちょっと具体的なこと言えよ!腕が何本とか!羽があるとか!絵に書くとかして!」

蛇神『腕は減らす方向で!あと、羽はいらない!』

サタン「いや、羽はいるのだ。でっかくて禍々しい羽がいるのだ!」

スキュラ「触手は必須ですよね?」

ベヒモス「熱線を吐く発熱器官が必須モス。」

摩耶「究極生物かな?」

神姫「赤石つき石仮面でもかぶった方が早そうね。」