ｰ教室ｰ

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

摩耶「もぐもぐ、確かにこれおいしいね。日本でも屋台だしたら売れそう」

神姫「ただでかい蜘蛛の糸って部分でひく人のが多いともうわ」

悠「気にすんな」
ポン
雨「触んな!気にもしてないし!」
ベシッ

悠「こっちの蜘蛛は毒しか吐かないなぁ。」

雨「本当に毒を吐きかけてやろうか…。」

悠「……」
スッ

亘理『雨ちゃん、悠ちゃんが殺虫剤持ったから謝った方がいいよ』

雨「嫌!」

悠「この意地の張り方が妖怪らしいところだなぁ。」

摩耶「違うんじゃないかな」

スキュラ「しかし、サタンさんはよくこれだけ育ったシースパイダーを集められましたね。見つけるのも捕獲するのも結構難しいですのに。」

サタン「我は探してないのだ」

千世子「探してないのだ?」

サタン「海辺近くで商売してる奴らから奪っ……借りてきたのだ。」

悠「おいおいおいおいおいおいおいおい」

サタン「なんなのだ」

摩耶「いま思いっきり奪ったって言ったよね?」

サタン「ちょっと借りてきただけなのだ!ちゃんとあとで返すのだ。」

悠「具体的にどうやって借りてきた?」

サタン「貸さないとぶっ飛ばすっていったのだ。」

神姫「奪ってるじゃない」

悠「だから気にいった!」

摩耶「露伴やってるのはいいけど、ガッツリ僕たちも食べちゃったから共犯だね。」

サタン「魔界は我の物だから何も問題ないのだ。」

悠「そういうことなら、そゆことでいいんだ。」

摩耶「さっきから上手い事ジョジョ名言を混ぜていくね」

悠「やらせていただきましたーん!」

神姫「……」
ゲシッ!
悠「……蹴りましたか?」

神姫「足が当たっただけよ。」

悠「この足か!この足が悪いのか!」
さわさわ、もみもみ
神姫「……」
グッ、ダッ!ゴッ!
悠「ぎゃふっ!」

摩耶「あー、膝が顎に入ったね。」

千世子「あんな綺麗な飛び膝蹴り初めてみたのだ。」

サタン「我だってできるのだ!」

悠「ほががっ…」
ダラダラッ

亘理『わぁ……悠ちゃん、手で口押さえてるけどそれどっから血が出てるの?』

悠「唇と口ン中…。」
ダラァ

雨「ありがとう、本当にありがとう」

神姫「礼を言われる筋合いはないんだけどね」

サタン「糸でも傷に張り付けとくのだ?」

悠「馬鹿、それ塩味だろ。沁みて地獄を見るわ。」