ｰ教室ｰ

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「見てみてこれ、でっかい蛇の抜け殻」
ずるぅ

摩耶「いや、でっかいもでっかすぎでしょ。」

千世子「それ、本物なのだ?」

悠「おれはよくできた偽物だと思いたくて持ってきた」

神姫「むしろ何で持ってきたの」

悠「これ踏んでずっこけたんだ。」

千世子「だからってなんでもってきたのだ」

悠「お前らのイタズラだろ!」

リリス「しらなーい。」

累「私がイタズラするならもっと殺傷性を持たせる。」

悠「……それもそうか」

亘理『それで納得するんだ…。』

悠「ということは……これ、本物の脱皮か?」

神姫「アナコンダでもいるのかしら?」

悠「怖いなぁ」

摩耶「ワニかジャガーでも放つ?」

神姫「余計に惨事になるわよ」

亘理『なんでワニとジャガー?』

悠「いちおう、アナコンダの天敵とされてる。ただし、絶対的というわけでく逆にアナコンダが捕食する場合もある。」

亘理『こっわ!』

悠「妖怪が何言ってんだ」

摩耶「そもそも本当にアナコンダがいるのかな」

悠「アナコンダはいないにしてもこれだけ巨大な蛇的な何かがいるのは確かだな。」

亘理『いや、それは普通に怖いよね?』

千世子「頭からパクッといかれそうなのだ。」

摩耶「悠くんを盾にすればいいよ」

悠「蛇を食ったことはあるけど喰われる側はちょっとなぁ……。」

義鷹「蛇がどうかしたのか?」

悠「ああ、義鷹。これみてくれでっかい蛇の脱皮。」

義鷹「なんだ、そんなものが欲しいのか?だったらいくらでももって言っていいぞ。」
ズゾゾッ、べりりっ

悠「わー、モンスターパニックゥー」

摩耶「腕が蛇に変化してどんどん脱皮していく。」

神姫「嫌いな人が見たら卒倒しそうな絵面ね」

悠「この皮を財布に入れとけば金持ちになるかな。」

千世子「ハンドバックでもパンパンになる量なのだ」

摩耶「この脱皮じたいで財布作れそう。」

義鷹「作るとしても脱皮したあとの皮でなく本体の皮でないとダメだろ。」
蛇『シュルルッ』

悠「っか、この皮は義鷹の?」

義鷹「俺のじゃねぇな」

悠「上げて落とされた感が半端ない」

摩耶「結局謎だけ残された感があるね。」

神姫「いや、謎っていうか、デカい蛇がいるならとっとと対処しとかないとダメでしょ。」