ー奇談ー學校へ行こう(2)6

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「じー……」

亘理『えっ、な、なに?』

悠「いや、この間さ女の幽霊を見たんだ」

亘理『おんなぁぁ~?』
ズズッ

摩耶「すごく悪霊っぽい禍々しさ」

千世子「それでどうしたのだ?」

悠「紆余曲折あって監禁されてる子供を助ける形になったんだが、幽霊らしさって部分をしみじみとかんじてな。」

神姫「紆余曲折を端折りすぎてなにいってるのか意味が分からない。」

悠「まぁ、細かいことはいいとして……何が言いたいのかと言うと、その幽霊は事故車に憑りついてたんだが割と自由に動いてたわけだ。」

亘理『いいなぁ。』

悠「だから亘理もイケるんじゃないかとおれは思ってる」

亘理『おぉっ?』

千世子「具体的にはどうするのだ?」

悠「その幽霊は子供を助けたいと思って行動範囲を広げてたわけだから……亘理も何かを強い思いをもって出ようとしたら出れるんじゃないかと結論付けたわけだ。」

亘理『なるほど!』

神姫「なるほどっていってるけど具体的なことは何も言ってないのよね。」

摩耶「亘理ちゃんの強い思いって既に外に出たい一念に尽きると思うんだけど」

悠「それよりも強い思いを外に向けるんだ」

千世子「外に出たいより強い思いってあるのだ?」

亘理『……なにかあるかな?』

神姫「それを他人に聞く時点でないってことだと思うわよ。」

摩耶「確かに」

悠「……よし!」

千世子「なにか思いついたのだ?」

亘理『さすが悠ちゃん!』

摩耶「略してさす悠」

悠「また別の手段を考えよう」

亘理『悠ちゃん…』

累「刃物でよかったらあるよ」

摩耶「刺す悠」

悠「やめろ!」

千世子「まぁ、あんちんが自信ありそうに言ってるときはダメなのだ。」

悠「おいおい、失敬だな。そんなこというとブラックサバスしちゃうぞ?」

亘理『なにそれ』

悠「チャンスをやろう。「向かうべき二つの道』を」

亘理『わかんない』

悠「ふふっ」

累「なに笑ろてんねん。」

悠「チャンスをやろう!」
ズズッ、ガシッ!
累「ぎゃっ、捕まった!」

亘理『今の動きなに……』

悠「「向かうべき二つの道」を」
ガンッ!
累「ぎゃっ!」

悠「この魂は……選ばれるものではなかった!」

千世子「頭突きでなにがどう選ばれるのだ……。」
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