ｰ教室ｰ

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「くんっ…」

摩耶「どうかした?」

悠「くんくんっ……蛇」

サタン「なにが重いのだ?」

悠「ヘビーじゃない、蛇だ。蛇の匂いがする。」

千世子「蛇の匂い?そんなのわかるのだ?」

悠「どくとくの生臭さがある。臭わないか?」

摩耶「……さぁ?みんなは?」

神姫「蛇の匂いっていうのは分からないけど……あれじゃない?」

大蛇『しゅるる』

悠「やだ、いるじゃなーい!」

千世子「いやいや、でっかい!でっかい蛇なのだ!」

大蛇『シャーララッ』

悠「えー、錦蛇ばりにふっとーい!」

神姫「さっきからイラッするんだけど」

悠「コホン、亘理、捕獲しろ」

亘理『なんで私?!』

悠「え?」

亘理『えっ、て…あんな大きいの怖いよ!』

悠「妖怪が何言ってるんだ…」

サタン「捕まえてどうする気なのだ?」

悠「警察に届けて……動物園に保護してもらう」

千世子「意外と普通なのだ。」

大蛇『あの、すいません』

悠「ちょっと待って今取り込み中……きゃーーしゃっべったぁ!!」

神姫「うるさいっ!」

悠「はい」

大蛇『驚かせてすみません。』

摩耶「喋ってるってことは妖怪さんかな?」

大蛇『ええと、どちらかと言うと神族側です。』

悠「蛇神、つまり白巳と同じか」

摩耶「白巳ちゃんは神様だった?」

大蛇『まだ喋ったりするぐらいしかできないんですけどね。それより一つお尋ねしたいのですが?』

悠「なんぞい」

大蛇『このあたりで宝玉をみませんでしたか?』

悠「おれの股間に二つほど」

神姫「……」
ズドンッ!
悠「げぶぁっ!」

千世子「ボディブロー」

摩耶「宝玉らしいものは見たことないけど、具体的にどんな感じの物?」

大蛇『光っています』

神姫「光ってるだけなら蛍光灯も光ってるのよねぇ。」

亘理『宝玉っていうぐらいだし、玉なんじゃないの?』

悠「げほっげほっ……おれが作った鉄球ならあるぞ。」

摩耶「あ、生きてた」

悠「お腹痛いけどな」

大蛇『そうですか……。わかりました。ありがとうございます、失礼します』

悠「鉄球は?」

大蛇『いりません』

悠「普通に断られたでござる」

千世子「そりゃそうなのだ。」

亘理『結局宝玉ってどんなのだったんだろう。』