ー奇談ー學校へ行こう(2)6

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「蒸し暑いな」

摩耶「そだねー」

悠「雪女とか氷柱女とか呼べないかな」

亘理『女ぁ?』
ズズッ
悠「あ、ちょっとひんやり。」

神姫「というか、その手の類の怪異や妖魔は夏に出てこないでしょ。」

摩耶「池袋の夏の日中なんて路上で目玉焼きや蹴るレベルだしね。雪や氷の怪異は一瞬でお湯になりそう」

悠「水を熱湯に変えるスタンド!」

神姫「そういう話してないでしょ?」

悠「あい…」

千世子「じゃあ、見方を変えて風を操る怪異ならどうなのだ?」

悠「熱風掻きまわしても地獄だぞ」

摩耶「換気しながらミストを拭きあげてもらえば?」

悠「それだ!そういう女妖はいないのか?!」

亘理『なんで?なんで女妖なのかなぁ?』
ググッ!
悠「助けてください!妖怪が僕の頭を引っこ抜こうとしています!」

リリス「下で固定すればいいの?」

累「バカね。下からも引っ張るのよ!」

悠「おれの側に近寄るなぁぁー!」

摩耶「永遠に死に続けてそう」

冥「お話ちゅう失礼しますナ」

千世子「冥ちゃん、どうしたのだ?」

冥「せんぷうきなら居ますナ」

悠「扇風機ぐらいならウチから持ってこれるけど」

冥「旋風鬼ですナ。風神に属する風邪を操る鬼ですナ」

悠「ああ、雲水のおっさんの身内か」

神姫「百目鬼家をナチュラルに妖魔の類にしない。」

冥「よかったら、風を吹かすように頼んでみましょうかニャ?」

悠「ちなみにその鬼は男かな女かな?」

神姫「……お願いしておいてもらえるかしら」
ゴッ!
悠「ぐぇっん!」

千世子「綺麗な裏拳なのだ。」

摩耶「顔面の中心にクリーンヒット!」

冥「分かりましたナ。」

悠「前が見えねえ」

リリス「窓から落とす落す?」

累「いや、刃物で刺そう」

悠「邪悪な気配は分かるぞ。」
ゴッ!ゴッ!
リリス「ぎゃっ!」累「ぐげっ!」

亘理『おー、スゴイ』

悠「しかし、神姫さんよ」

神姫「なによ」

悠「簡単に頼んで大丈夫か?」

神姫「冥ちゃんが勧めてきてくれてるんだから問題ないでしょ。少なくとも累らよりはマシよ。」

悠「それはそうか」

累「鉄製の羽の扇風機に指ツッコム遊びしましょう。止められたらセーフ、アウトなら指が飛ぶ」

悠「やらねぇよ。」
76/100ページ
スキ