ー奇談ー學校へ行こう(2)6

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「しかしよく叩き潰せたな」

神姫「うっとおしいからね。」

摩耶「つまり少しずれてたら悠くんが叩き潰されてたんだね。」

悠「(ちょっと、どういうことなのかわかん)ないです」

神姫「物理的にわからせようか?」

悠「イエケッコウデス」

【コ・イ・ヌール】

千世子「コ・イ・ヌールというダイヤモンドがあるのだ。現在はロンドン塔に収められているこのダイヤ、出自が謎に包まれているのだ。」

悠「しかし、あのワープ蚊がもういないとも限らないな……雨、二択だ。殺虫剤か糸を張るか」

雨「とりあえず隙間だけ糸で埋めとくわよ、それでいいんでしょ!!」

悠「素直な娘は嫌いじゃない」

累「どう聞いても脅してたよね」

リリス「最低よね。」

千世子「このダイヤは1304年、マルク王が所持していたというのが最も古い記録ですが、その記録には紀元前に発見され、重さは600カラット以上もあったと書かれていたのだ。その後、ムガール帝国を建国したバーブルの手に渡りましたが、その際所持していたスルタンを殺し、このダイヤを取り上げたと言われているのだ。」

悠「最低という言葉は貴様らにはいわれたくない。」

累「言われてるわよ。」

リリス「アンタのことよ」

神姫「両方でしょ」

「「えへへっ」」

千世子「その後このダイヤはペルシャに渡るのだ。ムガール帝国を攻めたペルシャ帝国の王の王ナデールはその当時の王・ムハメッドの寵姫から、ムハメッドがターバンの中にダイヤを隠していることを聞きだし、インドの風習であるターバンを交換するというやり方でまんまとダイヤを奪ったのだ。ナデールは、手にしたダイヤのあまりの輝きに「コ・イ・ヌール(光の山)」と名付けたのだ。」

摩耶「ところでひとついいかな?」

悠「どした?」

摩耶「雨ちゃんが糸で隙間を埋めてくれたんだけどさ……ワープするなら意味なくない?」

蚊『……』
プンッ

雨「あっ」

悠「お助けベープ」
シュッシュッ

雨「やめっ!うぇっ……!」

千世子「このダイヤはその後アフガン王の手に渡り、アフガン王家の諍いを巻き起こしながら、1849年、パンシャブ州がイギリスに合併され東インド会社が没収、1850年にイギリスのビクトリア女王に献上されたのだ。今日はここまでで続きは次回なのだ。」
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