ー奇談ー學校へ行こう(2)6

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「人間じゃない何かの存在を感じる。」

摩耶「人間じゃない何かの存在だらけだよ。」

悠「きゃー!」

神姫「やかましい」

悠「はい」

亘理『はい、じゃないよね。』

千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。前回からの続きでセンティナリーダイヤモンドが世界にお披露目されたのは1988年、デビアス社の創業100周年記念式典でのことだったのだ。」

悠「これからは幽霊いわゆるホラーが美味しくなる季節」

亘理『美味しくなる?』

悠「もっと詳しく言うと新しいB級ホラーがどわっと出てくる!」

摩耶「ヘタなホラーより怖いね」

サタン「なんかいってることおかしくないのだ?」

千世子「デビアス社の当時の会長であったジュリアン・オグリビート・トンプソンは「599カラットもの完全なダイヤモンドを算出した。史上発見されたダイヤモンドの中で、これだけ完全なダイヤモンドはない。このダイヤは自然と「センティナリーダイヤモンド」と呼ばれるようになった」とデビアス社100周年の式典で述べているのだ。」

スキュラ「確かに恐ろしい意味は違ってきていますね。」

悠「真の恐怖とは心の底から見たものを後悔という念に苛まれる。つまり超怖いより、超つまらない方が恐ろしいのだ!!」

亘理『無茶苦茶いってる。』

悠「じゃあ、おれといっしょにオールナイトでクソ映画鑑賞会する?」

亘理『悠ちゃんとオールナイト!?』

摩耶「ぜったい後悔するよ。」

神姫「絶対に後悔するわよ」

千世子「「センテティナリー」という意味が100周年にかけていたのだろうというのはこの言葉で分かるのだ。このように大きく希少なダイヤモンドをカットするには、莫大な投資と双頭の知識を必要とされたのだ。」

悠「なんでや、爆笑につぐ失笑からの嵐だぞ!」

神姫「失笑の時点でダメでしょ」

悠「ぶっちゃけ失笑でも出たらいいけどな」

亘理『失笑すら出なくなるとどうなるの……』

悠「真顔」

千世子「カットをするためにその当時最高の技術を持つとされた「ザ・ゴールデン・ジュビリー」にも出てきたトルコフスキーが中心となり、このダイヤをカットするための特別な部屋をしつらえての作業になったのだ。この特別室は南アフリカのヨハネスブルクに作られたのですが、カットする際の外部の影響を最小にし、強度安定が保たれた部屋だったようなのだ。」

亘理『映画見ながら数時間真顔とか地獄だね……』

悠「というか、あれだ、感情がなくなっていく。苦痛で」

亘理『なに?!拷問か何かなの?!』

神姫「似たようなもんでしょ」

悠「絶対に見て後悔はさせない、むしろそんなのを通り越すから!!」

千世子「この部屋でトルコフスキーが手作業でカットした「センティナリーダイヤモンド」は、公式に価格がつけられたことはないのだ。現在はブルネイ王室に寄付されているのだ。以上、センティナリーダイヤモンドのじゅぎょーだったのだ。」
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