ー奇談ー學校へ行こう(2)6

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「かおいたい…」

亘理『すっごい引っかかれたね。』

摩耶「悠君の顔が碁盤の目よりも細かいライン引きになってる」

神姫「消毒液ぬりたくってあげましょうか?」

悠「優しさに見せかけた追撃だっ!!」

【センティナリーダイヤモンド】

千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。「ザ・ゴールデン・ジュビリー」の中で出来た「センティナリーダイヤモンド」は、世界で3番目に大きなカット済みのダイヤモンドなのだ。」

悠「顔へのひっかきは勘弁してほしいよな」

摩耶「でも、背中の傷は剣士の恥だよ?」

悠「おれは剣士ではないんだよなぁ。」

サタン「なんなのだ?」

悠「色男」

神姫「血色染まればいいのに」

千世子「このダイヤは、実は「ザ・ゴールデン・ジュベリー」よりも産出されたときは大切に思われていたのだ。なぜなら、何度も出てきているダイヤモンドの価値、4Cでいうところのカラー(色)の部分で最高のD(無色透明)のランクをつけられたダイヤモンドだったからなのだ。」

悠「それでも色男なら血まみれの落ち武者も色男になる。」

血まみれの落ち武者『真にござりますかっ!?』

悠「……ダレデスカ?」

血まみれの落ち武者『落ち武者幽霊でござる。』

悠「清め塩」
バッ
血まみれの落ち武者『ノオォォォッ!』
しゅーーっ!

千世子「産出されたのは1986年。X線装置を用いて発見されたのだ。発見されたのは、「カリナン」「ジュビリー」と同じ、カリナン鉱山なのだ。」

悠「やれやれ」

神姫「……落ち武者が「NO」?」

摩耶「わりと現代でエンジョイしてたのかもね。」

亘理『でも、悠ちゃん清めの塩なんてもってたの?』

悠「いや、普通の食卓塩だけど」

千世子「産出時の大きさは599カラット。その大きさでDであるというものは、過去の大きなダイヤモンドでありませんでしたのだ(ファンシーカラーは、ダイヤモンドの4Cでいうところのスラーとはまた別の価値になり、この中には当てはまりません)。」

神姫「ただの塩でもダメージ入るのね。」

摩耶「ナメクジかな?」

悠「ひっぇっ!!」

亘理『血まみれの落ち武者より怖がってる件について』

悠「ナメクジ超怖い」

千世子「その上、このダイヤの凄いところは外部も内部も傷がないことなのだ。傷がなく、色も透明で美しく、大きいのだ。このようなダイヤモンドは産出されるだけでも奇跡なのだ。ダイヤモンドの中でもトップクラスのダイヤであると言えるのだ。今日はここまでで続きは次回なのだ。」
71/100ページ
スキ