ー奇談ー學校へ行こう(2)6

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

神姫「ごくっ……あ、甘いわね。」

摩耶「スプーンでひと掬い分を2リットルの水で溶かしたのにまだかなり甘いね。」

千世子「はー……この味好きなのだ。」

悠「ごっくごっくごっくごっく!」

亘理『悠ちゃんは狂ったようにブラックコーヒー飲み続けてる。』

千世子「ふー……はい、じゅぎょーしますなのだ。「カナリヤンダイヤモンド」は、産出された原石の大きさが世界一だったのだ。しかしながら、研磨される際にカットされているので、一粒の大きさは実は世界一ではないのだ。カットされ研磨されたダイヤモンドの中で一番大きなものは「ザ・ゴールデン・ジュビリー」というダイヤモンドなのだ。」

悠「はー……はらたぽぽだわ。げふっ」

サタン「ハラタポポ?」

摩耶「腹がタポンタポンって言いたかったんだと思うよ。」

悠「まったく、なんてことしやがる!」

サタン「説明するまえに勝手に舐めたのは自分なのだ。」

千世子「このダイヤは、1985年デビアス社の持つカリナン鉱山で産出されたのだ。産出はあのカリナンと同じ鉱山、つまりこのダイヤも南アフリカ産なのだ。」

神姫「ノータイムで舐めてたわね。」

悠「いい匂いがしたからな。つい口に運んだんだ」

亘理『犬かな?』

悠「わんわんにゃー!」

摩耶「臭いつき消しゴムとか食べてそう」

千世子「しかしながら、このダイヤモンドは「ファンシーダイヤモンド」という種類で先にじゅぎょーした「ホープダイヤモンド」などと同じく「カラーダイヤモンド」だったのだ。」

悠「齧るぐらいならまだしも食べはしないわ」

神姫「消しゴム齧る時点でアウトよ」

摩耶「でも、わりとやっちゃう子っておおいよね。」

悠「あと、石鹸な」

亘理『経験者は語る…』

千世子「ですが「ファンシーダイヤモンド」の中でも価値が低い方の色、ブラウンだったため、他の種類のダイヤモンドとは分けられて考えていたのだ。」

悠「変なこと言うな!おれは食べられないものは口にしない!でも、まぁ、似たようなことはある。」

摩耶「似たような?」

悠「噛み終わったあとのガムを飲んじゃったり」

亘理『ひぇっ…』

悠「そんな引かれるほどではないだろ……」

千世子「ダイヤモンドの価値は4Cであるというのは、ダイヤモンドのじゅぎょーでも語られていますが、その中でも透明であることはダイヤモンドの魅力のひとつなのだ。透明で光り輝く石、ということがダイヤモンドの価値の基本なのだ。ただし、色のついたダイヤはまた別物として取り扱われていて、希少価値をみとめられているのだ。ところが、このダイヤのくすんだ褐色の原石は、大きさは確かに700カラット以上もあったのですが、特に重要と思われずに扱われたのだ。今日はここまでで続きは次回なのだ。」
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