ｰ教室ｰ

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「ああ、桜が散り始めたな」
ドクロイーター『スンスン』
毒フラシ『ジュルジュル』
ロケットタートル『ぐおぉ』

摩耶「悠君が大変なことになってる。」

千世子「頭蓋骨を調べられつつ、背中には猛毒の軟体生物が張り付いて、足の上で爆発生物が寝ているのだ。」

神姫「本人は平気そうだしいいんじゃない?」

悠「……たすけて」

亘理『今助けてってつぶやいたような』

神姫「はぁ、各々の飼い主たちは回収してあげなさいよ。」

サタン「はーい、おいでなのだ。」
グィッ
ドクロイーター『ぎゅー!』
ガリッ!
悠「いたたっ!爪がかかったぞ!」

スキュラ「失礼しますね。」
ズルルッ
毒フラシ『ジュルル』
べりべり
悠「毒吹いてる!沁みる沁みる!」

ベヒモス「よっこいしょモス」
ぐぃっ
ロケットタートル『ぐぉぉ』
ゴッゴッ
悠「引きずってる!おれの足の上ひきずってる!」

摩耶「ふれあい動物園だね」

千世子「触れ「合い」?」

悠「一方的な蹂躙!!」

亘理『そもそもなんでそんなことになったの?』

悠「しらないよ……。おれはただ窓から外を眺めていたらあんな惨事になってた。」

摩耶「参事っていうかただ集まって好き勝手やってただけなんだけどね。」

悠「なんで魔物がおれに寄ってくるんだろう」

摩耶「餌かなんかと勘違いされたんじゃない?」

悠「ああ、おれがおいしそうだと」

摩耶「ゲテモノだけどね。」

悠「今日の摩耶は辛らつだなぁ。それより頭と背中と足が痛いわぁ。」

亘理『外傷はともかく毒は大丈夫なの?』

悠「ちょっとピリピリしてる」

神姫「腐ったりしなきゃいいけどね。」

悠「怖いことをおっしゃる。」

スキュラ「そこまで強い毒はまだ出せませんよ。」

悠「「まだ」な」

亘理『それにしても悠ちゃんから何か魔物が寄る匂いでも出てるのかな』

悠「ひとをにおい袋みたいに言うんじゃない」

千世子「なんなのだ?」

摩耶「ドラクエの魔物を寄せ付ける道具」

亘理『使ってるの?』

悠「使ってねぇよ!」

神姫「じゃあ発してる方ね」

悠「おれからはそこそこイイ匂いがしてるわ!」

摩耶「自分でよくそういうこと言えるね。」

悠「ただ、今日は違う匂いがしてるのは確かだな。白巳用の血肉ジュースをかぶったから」

「「「それだろ(よ)」」」