ー奇談ー學校へ行こう(2)6

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

サタン「ふっふっふー。」
キュッキュッ

悠「お、新しい角冠つくったのか」

サタン「冠ではなく我の角なのだ」
キュキュッ

悠「えー、手に持って磨きまくってるのに自分の角といいはってるよこの子」

摩耶「魔王だからね」

悠「そっかー、魔王だったら仕方ないなぁー」

千世子「あんちんが考えることを放棄してるのだ。」

神姫「でも、その角冠の、前の物と似てるっていうか……まったく同じものじゃない?」

サタン「メフィストに出させたのだ」

亘理『直したじゃなくて出させた?』

スキュラ「メフィストさまなら同じ物体を出現させることぐらいは簡単ですからね。」

悠「あんなのでも超すごい悪魔だもんな」

スキュラ「メフィスト様は悪魔の中でも稀有な存在ですしね。」

千世子「そんなに珍しいのだ?」

悠「そらまぁ、人間社会で教師なんかやってるぐらいだしな」

スキュラ「それもありますが、そもそもメフィスト様の能力が悪魔界、いや、全魔界規模で特質なのですよ」

悠「確か「悪意を食う」力だっけ?」

スキュラ「はい。悪魔や魔物には感情や欲を糧にする者は少なくないですが、この「悪意を食べる」というのはメフィスト様はしか持っていません。そしてなにより悪魔や魔族は「悪意」を力にしています。なのでメフィスト様は対悪魔でありながら対悪魔や魔族に対してほぼ無敵なのです。まぁ、もちろん魔王たちの中にはそれをものともしない方々もいらっしゃいますが。」

悠「上には上がいるってことか」

サタン「我とかな!」

悠「ソダネー」

サタン「……」
がしっ!
悠「おお?!なんだコラ、離せ!離さんかーー!」

サタン「ふんっ!」
ポイッ!
悠「わぁーー…」

亘理『ああ、悠ちゃんが窓からポイされちゃった』

神姫「寒いから窓を閉めて」

サタン「わかったのだ。」
ガララッ

摩耶「今日雨降ってるもんね。」

悠「しかも風も吹いてるからここ最近の夏日ぽかったのが嘘みたいだよな。」

千世子「あんちんはワープができるのだ?」

悠「そんなのができたら毎日なにかしら悪い事してるわ」

摩耶「悪い事に使う気満々なんだね」

悠「えへっ!」

神姫「もう一回、窓から投げ捨てていいわよ。」

サタン「……」
ガシッ、ポイッ!
悠「わぁー…」
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