ー奇談ー學校へ行こう(2)6

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

ドクロイーター『……』
シュババッ、シュババッ!

悠「えー……なんか灰色の塊が教室中を高速移動している。」

サタン「今日も元気なのだ」

亘理『げふっ!』

摩耶「あ、亘理ちゃんにぶつかった。」

悠「天井の方が危ないってどうなんだ。」

神姫「っていうか、走り回ってるのは大丈夫なの?なんかストレスで癇癪とか起こしてない?」

スキュラ「捕まえてみましょうか」
シュルルル

ドクロイーター『!!』
バッバッ!

摩耶「避けた」

スキュラ「おや?」
シュルルル
シュルルル
ドクロイーター『!!』
ダンッダンッ!

亘理『にぎゃーーー!』

悠「跳ねかえったスーパーボールみたいな動きしてんぞ」

千世子「亘理ちゃんが巻き込まれてるのだ…」

スキュラ「ふむ、なかなかやりますね。たぶん、もう少し本気を出せば捉えられるんですけど……」

摩耶「たぶん、亘理ちゃんが危ないね。」

悠「仕方ないな。」
スッ【チキンの骨】
ドクロイーター『!!』
バッ!
悠「はい、捕獲」

亘理『なーんーでーさーいーしょーかーらーそーしーなーいーのぉー』

悠「なんでそんなスローリーな喋り方してんの?」

スキュラ「私の触手に分泌していた毒のせいですね」

亘理『どぉぉくうぅー?!』

スキュラ「致死性の物ではありませんから安心してください。」

亘理『そぉーいーうーもーんーだーいーじゃぁーなぁーいーー』

摩耶「解毒方法は?」

スキュラ「……メフィストさんに頼むのが一番早いかと」

悠「メフィストのおっさん連れてくるわ。」

サタン「よしよしなのだ」
なでこなでこ
ドクロイーター『ガリガリガリガリ』

神姫「捕獲したら大人しくなったわね。」

千世子「こうしてるだけならちょっと変わったカピバラっぽいのだ。」

神姫「動きはそれどころではなかったけどね。」

スキュラ「ドクロイーターは機敏に動く種族ですが、あそこまで素早い個体は見たことありませんね。」

メフィスト「その動きは恐らくデスが」
ポンっ!
亘理『あー、あー……治ったぁ!』

悠「恐らく?」

メフィスト「サタンさんから発スるオーラを受けて魔王の恩恵を受けているせいじゃないデスかね。」

サタン「さすが我なのだ。」

スキュラ「言われてみれば私の毒フラシたちも普通の毒フラシより毒腺が発達していますね。」

摩耶「飼い主によって特性が付与されるってのが魔族系のペットって感じだね。」
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