ー奇談ー學校へ行こう(2)6

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「なんかちょい埃っぽくない?」

摩耶「そうかな。」

神姫「窓でもあける?」
カララッ
びゅぅっーー!

悠「ひええぇぇ、冷たい冷たい!風が冷たい!」

神姫「……」
ガララララっ!

悠「なんで?!なんで全開にした?!」

神姫「なんとなく」

悠「おれの事が好きだからって意地悪しすぎだわぁ。」

神姫「……」
ガシッ

悠「OkOk、冷静に話し合おう。だから、今手につかんでる鉄パイプを離してくれ。」

摩耶「なんで鉄パイプなんかあるんだろう」

累「私物」

亘理『鉄パイプが?!』

悠「とりあえず、窓も閉めて冷たい風がホントに冷たくて冷えてるんだ。」

千世子「いってることが重複してるのだ」

摩耶「昨日今日はやたら冷えてるよね。」

神姫「そうね。晴れてるけど風が冷たいのよね。」
カララッ

悠「なんで?!なんで別の窓までオープンしてんの!?」

神姫「シンプルに悠への嫌がらせよ。」

悠「自分も鳥肌たってるのにおれへの嫌がらせを強行するその姿勢……さすがだ。」

摩耶「僕も寒いから閉めていいかな」

神姫「ああ、ごめんなさいね。悠を窓から突き落として閉めるわ」

悠「なに、そんなしっかり怒ってるの?ねぇ?」

神姫「別に」

悠「うーん、乙女心ってやつかぁ。」

神姫「……」
ガシッ!ブンッ!
悠「あああぁぁっ……」

神姫「……」
カララ、ガチャ

千世子「本当に投げ捨てたのだ」

累「ひゃひゃひゃ!」
リリス「きゃははっ!」
パチパチパチパチ

摩耶「狂ったチンパンジーみたいに手を叩きながら爆笑してる。」

亘理『悠ちゃん大丈夫かな』

悠「大丈夫だろ。ただ、やっぱり外寒いわ」

亘理『そっかー……ふあぁっ?!』

摩耶「おかえり」

悠「ただいま」

千世子「普通に投げ捨てられて、普通に戻ってきてるのだ。」

悠「おれだって何度も落ちてたら安全な着地法ぐらい編み出すさ」

摩耶「普通は何回も落ちたり投げ捨てられたりするもんじゃないんだけどね。」

悠「ほんとにな。なぁ、神姫さん」

神姫「私は悪くない」
スッ

悠「そうだ。神姫は悪くない!」

亘理『その結論でいいの?』

悠「だって、窓に手をかけてるんだもん。下手なこと言ったらもう一回投げ捨てられる。」
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