ー奇談ー學校へ行こう(2)6

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「なんで晴れてるのに寒いの?」

摩耶「風が吹いてるのと雨のせいかな」

悠「春一番よパンチラを呼び起こして!」

神姫「パンチ乱射」
ズドドドッ!
悠「痛っ痛い!痛いっ!やめ、あぎゃーー!」

【銀】

千世子「はーい、じゅぎょーしますなのだ。銀の元素記号はAg。ラテン語で「輝く」を意味する「argentum」に由来するのだ。銀は光の反射率がもっとも高い金属で、とくに白く強い輝きを見せるのはこのせいなのだ。また、電気伝導率や熱伝導率も全金属中最大なのだ。銀は他の貴金属に比べ、化学変化を起こしやすいという性質があるのだ。空気中に存在する硫黄化合物ともすぐ反応し、表面が黒ずんでしまうのだ。昔から銀が食器として使われていた理由として、食事に硫黄化合物やヒ素などの毒が混入された場合、即座に色が変化して察知できるから、という説もあるくらいなのだ。」

摩耶「雉も鳴かずば撃たれまい」

亘理『悠ちゃんはどうしてそうなのか』

悠「げふっぁ……お、おれは正直に生きたいんだ」

サタン「正直ってそういうんじゃないと思うのだ」
ドクロイーター『ガリガリガリガリ』

千世子「銀は純粋な結晶の形で採れることもありますが、その量はあまり多くないのだ。多くは、輝銀鉱、濃紅銀鉱、角銀鉱といった化合物の形で採掘されるため、精製を行い、純銀として取りだす必要があるのだ。歴史において、精製方が十分に発達するまでは、銀は金よりも貴重な金属として扱われたのだ。銀はまた、銅や亜鉛などを生成する際の副産物としても採取されているのだ。」

悠「骨で出来た角の冠が齧られてんぞ」

サタン「冠じゃなく我の角なのだ!」
ドクロイーター『ガリガリガリガリ』

悠「でも齧られてんぞ」

サタン「……」
ガシッ、ググッ
ドクロイーター『ガリリ』

悠「じゃれあってんなぁー」

千世子「銀は美しく加工しやすい金属であり、宝飾品などに広く利用されてきたのだ。金にこそ及ばないものの、やはり数千年の歴史を持っているのだ。貴金属の中でも比較的安価な銀のアクセサリーは、現在でも老若男女を問わず多くの人に愛されているのだ。ただし、純銀は柔らかく傷つきやすいため、金や銅、プラチナやパラジウムなどと混ぜ合わせ、強度をあげることが多いようなのだ。」

神姫「結局、それ飼うことにしたのね。」

サタン「まだ我のペットにはなってないのだ。ちゃんと我に似あうようにならなとーーーっ!」
ググッ!
ドクロイーター『ガジィー!』

摩耶「……素直に冠を外した方がいいと思う」

千世子「銀は古代から、月の力を秘めた聖なる金属といわれていたのだ。身に着けると、感情を整え、体内の毒素を除去・浄化してくれるというのだ。邪悪なものから身を守る力があるといわれ、魔よけとして使われることも多かったようなのだ。狼男を殺すために、銀の弾丸を使う必要があるとされていた言い伝えは、あまりにも有名なのだ。また、他のパワーストーンと一緒に使用すると、その長所を引きだし、効果を増幅してくれるという金属としても知られているのだ。以上、銀のじゅぎょーだったのだ。」
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