ー奇談ー學校へ行こう2

ー教室(4/18/夜)ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業がはじまろうとしていた。

悠「悪魔の授業ってひとつひとつが長いよな」

花描「七つの大罪の悪魔は有名どころだし当然ていえば当然じゃないか。」

摩耶「残りの大罪ちゃんはなんだっけ?」

悠「大罪ちゃんって…」

神姫「暴食、色欲、怠惰、強欲、嫉妬の五つよね」

千世子「そうなのだ。今日は暴食の…」

悠「ベルゼブブか」

【ベルゼブブ】
悪魔界のナンバー2

千世子「ベルゼブブは「蝿の王」「悪魔の王子」などの異名で知られる悪魔なのだ。彼はすべての悪魔のなかで、サタンまたはルシファーに次ぐ二番目の実力者だと考えられているのだ。」

悠「日曜の朝にアニメ化もするわな」

摩耶「ベルゼバブだね。」

千世子「その知名度は抜群で、中世悪魔学では一時期、サタンやルシファーではなくベルゼブブこそ最高位の悪魔だと考える者が多かったほどなのだ。」

神姫「ドラゴン、堕天使、蝿なら普通に竜が最高位でしょ」

悠「悪魔的なら堕天使が一番悪魔っぽいからな」

千世子「キリスト教の七つの大罪では「暴食」をつかさどっているベルゼブブだけど、彼本人が振りまく悪徳にはあまり「暴食」のイメージはないのだ。」

摩耶「死肉を食い荒らすってイメージはあるけどね」

悠「ウジだな」

千世子「彼が得意としているのは、争いや嫉妬を引き起こしたり、暴君を滅ぼしたり、人間に悪魔を信仰させたり、高潔な聖職者の性欲をかきたてて堕落させることなのだ。」

神姫「最後が微妙な悪魔ね」

花描「ピエロ君もベルゼブブに呪われてるんじゃないか?」

悠「おれは別に悪魔信仰してないぞ」

摩耶「性欲をかきたてられてるのは?」

悠「それは通常運転ってなにいわせるんじゃい」

神姫「……」

悠「睨まんといて…」

千世子「ベルゼブブの姿は、その名のとおり巨大な蝿として描かれることが多いのだ。ほかの姿をとることもあるようなのだ。全身を真っ黒い毛で覆った異形の巨大、巨大な仔牛、色とりどりの頭髪と竜の尾を持つ牛など、彼の姿はじつにバリエーション豊かなのだ。」

花描「虫より獣系なんだな」

千世子「フランス解放の英雄ジャンヌ・ダルクとともに戦った騎士「ジル・ド・レイ」も、ベルゼブブが豹に化けた姿を目撃したと証言しているのだ。」

悠「雌豹なら嬉しいんだが…」

千世子「ベルゼブブには「ベルゼブル」「ベルゼビュート」などの別名があるのだ。このうちベルゼビュートはベルゼブブのフランス語読みであり、ベルゼブブが最高位の悪魔だと考える悪魔学者のなかではしばしばこの表記が使われたのだ。続きは次回なのだ」
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