ー奇談ー學校へ行こう(2)6
ー教室ー
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。
悠「どうしよう、へんなの拾っちゃった」
ドロドロしたナニカ『……』
摩耶「なぜそんなものを拾って持ってきたのか」
亘理『コレガワカラナイ』
悠「いや、なんか背後を取られちゃって。正確に言うと背後を見せたら飛び着かれちゃって」
【スピネル】
千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。スピネルの名前の由来は、ラテン語で「とげ」を意味する「spina」に因んでいるのだ。結晶が尖った形をしているため、この名前がつけられたのだ。和名の「尖晶石」も、同じ理由でついた名称なのだ。スピネルは本来無色透明だけど、鉄、クロム、マンガン、亜鉛などの物質が混入することで、赤、青、緑、紫など、、さまざまな色を持つようになるのだ。赤色をしたものが最も多く、ミャンマーでは実に美しい真紅のレッド・スピネルが採れるのだ。」
摩耶「それ、明らかに敵意を持った行動だよね。吸血とかあるいは何かをうえつける的な。」
悠「大丈夫、大丈夫。こうして取り押さえたから」
サタン「……それ、スキュラのペットじゃないのだ?」
スキュラ「あらあら、逃げ出しちゃってたんですね。」
亘理『ペットってこれなに?』
スキュラ「キュウケツドクフラシの幼体です」
千世子「スピネルは長いあいだ、その存在を知られずにいたのだ。スピネル自体は昔からあったのですが、紅いスピネルはルビー、青いスピネルはサファイア、それ以外のスピネルは似た色の他の宝石に、それぞれ混同されていたのだ。スピネルとコランダムは見た目が似ていること、硬度や比重、屈折率などの特性がかなり近いこと、そしてコランダムと同じ母岩の中から取れることが、その原因なのだ。スピネルが他の宝石と区別され、名前が付けられたのは、実に18世紀のことなのだ。」
悠「ひぇっ」
ポイッ
べチョッ、ズリズリ
スキュラ「よしよし。大丈夫ですよ。」
摩耶「擬態能力もあるんだね。触手に張り付いたら色がどうかしたよ。」
スキュラ「いきなり投げ落とすなんてひどいじゃないですか。」
悠「吸血毒降らしとかいわれたら、そうなるって……」
神姫「いままで平気で触ってたくせに。」
千世子「スピネルとルビーが取り違えられた有名な例としては、イギリスの載冠式用王冠「インペリアル・ステート・クラウン」の、中央に輝く宝石が挙げられるのだ。「黒太子のルビー」と呼ばれる赤く大きなこの宝石は、長らくルビーと信じられてきましたが、実はレッド・スピネルだったことが明らかになったのだ。また同じイギリス王室所蔵の、361カラットもある巨大な「ティムール・ルビー」も、今ではスピネルだったということが証明されているのだ。」
サタン「魔海の岩場に住むアメフラシの一種なのだ。」
スキュラ「弱った生物に張り付いて吸血し、身に危険が迫ると毒を吹きだすんですよ。幼体はまだ毒腺が発達してないので吹きだせませんけど。」
悠「完全におれは血を吸われかけてたわけだ。」
スキュラ「でも、幼体だとコップ一杯ぐらいしか吸えませんし、ヒルとかと同様ぜんぜん痛みはないですから」
悠「コップ一杯も大ごとだし、痛みがないからこそ気がつかないからヤバいんだよなぁ。」
千世子「スピネルはあまり名前を知られていない宝石ですが、その原因のひとつは希少性なのだ。良質のスピネルは、ルビーやサファイアなどよりはるかにまれな存在で、市場にもあまり出回らないのだ。1910年ごろからは合成スピネルが製造されていますが、知名度の問題もあってかスピネル自身ではなく、ダイヤモンドやジルコン、アクアマリンなど、他の宝石のイミテーションとして利用されているのだ。以上、スピネルのじゅぎょーだったのだ。」
毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。
悠「どうしよう、へんなの拾っちゃった」
ドロドロしたナニカ『……』
摩耶「なぜそんなものを拾って持ってきたのか」
亘理『コレガワカラナイ』
悠「いや、なんか背後を取られちゃって。正確に言うと背後を見せたら飛び着かれちゃって」
【スピネル】
千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。スピネルの名前の由来は、ラテン語で「とげ」を意味する「spina」に因んでいるのだ。結晶が尖った形をしているため、この名前がつけられたのだ。和名の「尖晶石」も、同じ理由でついた名称なのだ。スピネルは本来無色透明だけど、鉄、クロム、マンガン、亜鉛などの物質が混入することで、赤、青、緑、紫など、、さまざまな色を持つようになるのだ。赤色をしたものが最も多く、ミャンマーでは実に美しい真紅のレッド・スピネルが採れるのだ。」
摩耶「それ、明らかに敵意を持った行動だよね。吸血とかあるいは何かをうえつける的な。」
悠「大丈夫、大丈夫。こうして取り押さえたから」
サタン「……それ、スキュラのペットじゃないのだ?」
スキュラ「あらあら、逃げ出しちゃってたんですね。」
亘理『ペットってこれなに?』
スキュラ「キュウケツドクフラシの幼体です」
千世子「スピネルは長いあいだ、その存在を知られずにいたのだ。スピネル自体は昔からあったのですが、紅いスピネルはルビー、青いスピネルはサファイア、それ以外のスピネルは似た色の他の宝石に、それぞれ混同されていたのだ。スピネルとコランダムは見た目が似ていること、硬度や比重、屈折率などの特性がかなり近いこと、そしてコランダムと同じ母岩の中から取れることが、その原因なのだ。スピネルが他の宝石と区別され、名前が付けられたのは、実に18世紀のことなのだ。」
悠「ひぇっ」
ポイッ
べチョッ、ズリズリ
スキュラ「よしよし。大丈夫ですよ。」
摩耶「擬態能力もあるんだね。触手に張り付いたら色がどうかしたよ。」
スキュラ「いきなり投げ落とすなんてひどいじゃないですか。」
悠「吸血毒降らしとかいわれたら、そうなるって……」
神姫「いままで平気で触ってたくせに。」
千世子「スピネルとルビーが取り違えられた有名な例としては、イギリスの載冠式用王冠「インペリアル・ステート・クラウン」の、中央に輝く宝石が挙げられるのだ。「黒太子のルビー」と呼ばれる赤く大きなこの宝石は、長らくルビーと信じられてきましたが、実はレッド・スピネルだったことが明らかになったのだ。また同じイギリス王室所蔵の、361カラットもある巨大な「ティムール・ルビー」も、今ではスピネルだったということが証明されているのだ。」
サタン「魔海の岩場に住むアメフラシの一種なのだ。」
スキュラ「弱った生物に張り付いて吸血し、身に危険が迫ると毒を吹きだすんですよ。幼体はまだ毒腺が発達してないので吹きだせませんけど。」
悠「完全におれは血を吸われかけてたわけだ。」
スキュラ「でも、幼体だとコップ一杯ぐらいしか吸えませんし、ヒルとかと同様ぜんぜん痛みはないですから」
悠「コップ一杯も大ごとだし、痛みがないからこそ気がつかないからヤバいんだよなぁ。」
千世子「スピネルはあまり名前を知られていない宝石ですが、その原因のひとつは希少性なのだ。良質のスピネルは、ルビーやサファイアなどよりはるかにまれな存在で、市場にもあまり出回らないのだ。1910年ごろからは合成スピネルが製造されていますが、知名度の問題もあってかスピネル自身ではなく、ダイヤモンドやジルコン、アクアマリンなど、他の宝石のイミテーションとして利用されているのだ。以上、スピネルのじゅぎょーだったのだ。」