ｰ教室ｰ

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「ふんふーふん、ひとりでは解けない愛のパズルを抱いて～」

亘理『……』
バッ

悠「両手を広げてどうした。逆グリコのポーズか?」

摩耶「鳳翼天昇かもしれない。」

神姫「逆さだから天昇どころか地上落下になるけどね。」

【キャッツアイ】

千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。キャッツアイとは、正確にはベリリウムとアルミニウム酸化鉱物であるクリソベルという鉱物の中のインクルージョンによって起こる効果のことを示し、正しくは「クリソベルキャッツアイ」というのだ。」

亘理『そうじゃなくて!』

悠「見－つめるキャッツアイ」

摩耶「magic play is dancing」

神姫「絶対いうと思った」

悠「おれはシティハンター派だけど、美人姉妹は大好きです」

千世子「半透明のクリソベルをカボションカットすることにより一条の光が現れるのだ。社とヤンシー効果さながら猫の目のように輝き、文字通りキャッツアイとなるのだ。クリソベルのインクルージョンは他の鉱物ではなく液体がチューブ状に発達しやすく、液体チューブであるために石自体の透明度はあまり損なわれないのだ。よって光の反射が強く、とうめいな光の帯が出るという特徴があるのだ。水が入りこみ、あの美しい一条の光となって石の中に浮かび上がるのだ。」

累「お前の好みなんて股に穴が開いてりゃそれでいいんだろ」

悠「すげぇな、おれでもそんな下品なこと言わないのに」

累「言わないだけで、お前頭悠じゃん?私はサイコパスだけど、お前は頭悠じゃん?」

摩耶「サイコパスって自覚あったんだね」

悠「おれは頭悠な自覚ねぇぞ!……おれは誰だ?!」

千世子「ハニーブラウンからゴールドカラーを持つアップグリーンの色が最も価値があるのだ。重要な要素は、キャッツアイの目の強さと鋭さです。良質の「クリソベリルキャッツアイ」は「ミルクとハチミツ」効果を持っているのだ。石の一方のサイドに光が当てられたときに、目はミルキーホワイトになり、他はゴールドの色のままなのだ。石を回転すると色が変わるのです。」

神姫「そういう所が頭悠っていわれる所以なのよ」

悠「マジかよ。メモっとくぜ。」

摩耶「でも、メモるだけで満足して見直さなそう」

神姫「そういう所がダメなのよ」

悠「でも、そういう所が可愛いっていわれたいし」

千世子「産地はスリランカ、ブラジル、マダガスカルが主で、クリソベリル自体が希少な宝石で年間供給量が1万カラットにも達せず、キャッツアイとなればさらに少なく、年間一千カラットにもならないだろうと思われるのだ。同じクリソベリルに属する「アレキサンドライト」にも、まれにキャッツアイが表れることがあるのだ。ただでさえ高価な「アレキサンドライト」にキャッツアイの価値が加わり、数ある宝石の中でも最も希少価値のあるものとなるのだ。」

累「誰も言わないし」

婀娜「ねぇ、ダイヤモンドはいつ石くれから宝石になるんだと思う?あだたんはね磨かれて光ったときじゃない人が値段をつけたそのときだって思うんだ」

悠「なるほどそれで?」

婀娜「言葉を状況に当てはめるところまではあだたんの仕事じゃないよ」

悠「産んだものは最後まで責任持っててくれ。」

摩耶「はい、本日の風刺ポイント」

千世子「キャッツアイは、古くから邪悪なものや人からの悪意を寄せ付けない効果があるといわれ、霊性を高める石として様々な地域で用いられたとされているのだ。また、集中力を高める効果もあり、勉学には最適な石なのだ。身に着けると、ビジネスなどで先を見通す力を持つことができるともいわれるのだ。以上、キャッツアイのじゅぎょーだったのだ。」