ー奇談ー學校へ行こう(2)6

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「校庭でも梅の花が咲いてるな。」

摩耶「同時に蠢てたけどね。」

神姫「目みたいな物がついてるのもあったわよ。」

悠「やだやだ、こわーい、」

神姫「シンプルに気持ち悪い」

【カーネリアン】

千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。名称には、ラテン語の肉を意味する「カーニス」から由来するという説と、同じラテン語の「木苺」に由来するという説があるのだ。カーネリアンは玉髄という鉱物の中で微量に含まれる鉄分の影響で赤色や橙色をしていて、網目模様がないものを指すのだ。普通産出する時には色が薄く、加熱することにより鉄分が酸化されて濃い色となるのだ。網目模様があるものは瑪瑙というのだ。」

悠「こほん。しかし、蠢く植物っていうとホラーホラーしてるよな」

摩耶「と ん ら ん」

悠「そのホラーでなくてね。」

亘理『こんらんじゃないの?』

悠「スーファミ版のロマサガは字が潰れて「こ」が「と」に見えるんだよ」

千世子「カーネリアンにはパワーストーンとしても有名で、古くから多くの国の人々の間で使用されてきた石なのだ。古来より強力な魔力が秘められていると信じられ、この石を持つとあらゆる願いが叶うとして大切にされてきたのだ。」

サタン「魔界の植物は自分で魚を取って食べてるのだ」

悠「栄養の取り方が捕食ってのが魔界感か?」

亘理『どうやって捕るの?』

サタン「根が水場まで伸びていって魚を釣り上げて食べるのだ」

神姫「魚臭そうな花が咲きそうね」

千世子「活力を与える鉱石ともいわれ、首飾りを始めとして様々な装飾品や印鑑、印章に用いられているのだ。有名なものでは、ナポレオンの八角形の印章やマホメットの印象にもこの石が使われているのだ。ツタンカーメンの遺跡内からは、熱処理を経たカーネリアンが発見されたのだ。また、世界四大文明のひとつインダス文明の都市遺跡からも、膨大な量のカーネリアンの装飾品が見つかっているのだ。彼らは、カーネリアンのビーズに白色の分紋を入れる技術を持っていたのだ。このビーズは支配者層の装飾品やメソポタミアへの主な輸出品であったと考えられているのだ。スラム教の開祖マホメットがカーネリアンを身につけていたこともあるように、イスラムでは特に大切に扱われているのだ。」

サタン「あー、確かその種の花からはたくさん甘い蜜が取れるけど生臭いっていわれてるのだ。」

悠「甘いのに生臭い蜜って嫌だなぁ。」

摩耶「栄養はたっぷりありそうだけどね。」

サタン「その蜜で虫をおびき寄せてさらに捕食するのだ」

神姫「確かに甘さにひかれる虫もいれば、生臭い臭いにひかれる虫もいるものね。」

千世子「「悟りの石」とも「魔力石」とも呼ばれるカーネリアンは力強さと勇気が与えられ、自分自身の力を十分に発揮して仕事なども成功に導く力があるとされているのだ。好奇心を刺激したり集中力の強化などやる気を起こさせ、ネガティブな波動を吸収するので、無気力な人、引っ込み思案な人には最適な守り石なのだ。また、肉体的な悩みを解決するともいわれ、血行を良くし身体に活力を与える石とされているのだ。肝臓病や神経痛の治療にも使用されたと伝えられているのだ。以上、カーネリアンのじゅぎょーだったのだ。」
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