ー奇談ー學校へ行こう2

ー教室(4/17/夜)ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業がはじまろうとしていた。

悠「あ、摩耶」

摩耶「うん?なあに?」

悠「ボタン取れかかってるぞ」

摩耶「へ?あ、ホントだ。これお気に入りなのになぁ」

悠「あとで直してやろうか?」

摩耶「いいよ。いいよ。帰って自分で直すから」

神姫「悠、縫い物なんかできるの?」

悠「器用貧乏なおれは基本細かいことはできるぞ」

花描「自分でいうかそれ」

悠「しかし……起きないな。」

千世子「すぅすぅ…」

摩耶「よっぽど悠くんの膝が座り心地いいんだね」

悠「おれの膝の優先順位はマリオがぶっちぎりなんだがなぁ…」

花描「俺の知る限り、ピエロくんの膝にマリオが座ってるのは見たことないんだけど」

悠「いやいや、そんなことは……。」

神姫「次の言葉が出てないわよ」

悠「うるへー」

千世子「んゅ…」

摩耶「あ、ちょこちゃん起きたね。」

千世子「んゅ……ん~…」

悠「ぴよこ、どうする?もうちょい寝るか?」

千世子「んーん……じゅぎょーするのだ」

花描「まだ、ルシファーの授業だったよな」

千世子「ルシファーの存在はふあぁ…」

摩耶「まだ眠たそうだけど」

千世子「へ、平気なのだ。…ルシファーの存在はあっというまにキリスト教神学者」

神姫「それ、昨日最後聞いたわよ。」

千世子「……」

悠「無理じゃね?」

千世子「だ、大丈夫。大丈夫。ちょっとしたフェイントなのだ。……よし、イザヤ書の記述には元ネタがあるのだ。明けの明星が天から落ちる話は、バビロニアのすぐ近くにあるカナンの金星神「シャヘル」が、父から最高神の地位を奪い取ろうとする神話が元になっているのだ。」

悠「お、持ち直した。」

摩耶「違った意味で今日の授業はハラハラするね。」

千世子「ルシファーは、絶対悪の存在「サタン」と同一の存在だと考えられているのだ。」

悠「あぁ、柏のボケと同じか」

花描「警察を絶対悪とかいうのはどうなんだろうな」

悠「警察をじゃなく柏が絶対悪だ」

千世子「その根拠は先にじゅぎょーした「イザヤ書」と新約聖書「ルカによる福音書」にある類似点なのだ。ルカによる福音書には、こんなイエスの台詞がかかれてるのだ。」

わたしはサタンが電光のように天から落ちるのを見た

摩耶「つまり?」

千世子「この記述がイザヤ書の記述とよく似ていることから、ルシファーとサタンは同じ存在だと考えられるようになったのだ。17世紀のミルトンの創作「失楽園」では、堕天使の長としてルシファーが主人公に選ばれ、サタン=ルシファーのイメージがよりいっそう強まったのだ。以上、ルシファーのじゅぎょーだったのだ。」
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