ー奇談ー學校へ行こう(2)6

ー教室ー

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「マラカスを拾った」
シャカシャカ

亘理『なんで拾ったの?』

悠「……落ちてたから?」
シャカシャカ

摩耶「床落ちアイテムを拾ってしまうシレンジャーの習性」

【オニクス】

千世子「はい、じゅぎょーしますなのだ。オニクスの語源はギリシャ語で「かぎ爪(縞模様)」ギリシャ神話では、眠っているビーナスの爪をキューピットが弓で切る遊びをしていて、その爪がインダス川に落ちてオニクスになった、といわれているのだ。以前はその名前の通り色の子となる瑪瑙が交互にし豆となったものなどをさしていましたが、最近では黒の瑪瑙「ブラックオニクス」の事をさすことが多くなったのだ。また縞目模様の大理石や「アラゴナイト」など、他の鉱物や鉱石の総称として用いられることもあり、間違わないように注意が必要なのだ。」

悠「……」
シャカシャカシャカシャカ

神姫「うっとおしいんだけど」

悠「じゃあ、はい」
スッ
神姫「いらない」

悠「ハッスルダンスしてください、お願いします。」

千世子「オニキスの評価は、古代から時代と国によって大きく分かれていたのだ。争いを起こす、災いを呼ぶ、といわれることもあれば、強力な魔よけの効果があり、知性を高めるパワーストーンと珍重された歴史もあるのだ。」

神姫「……」
スッ、ドスッ!
悠「ぐふっぁ!」

サタン「顔にぶっ刺したのだ。」

摩耶「ハッスルダンス(物理)」

亘理『ダンス要素は?!』

千世子「印象石として用いた人は心配事を抱え込み、悪夢を見るようになる……。相手に悲しみや恐怖、恐ろしい幻影、論争を引き起こさせるといった記述もあれば、古代インドやヘブライ民族間では「悪霊から身を守る石」だとされ、肉体の内側にある本能を目覚めさせて運動能力を刺激するといわれているのだ。」

悠「まえがみぇねぇ…」
シャカ

摩耶「動くたびに音がなってる」

悠「んー、ぷはっ。仕方ない、亘理」
ズボッ

亘理『んに?』

悠「ハッスルダンスを頼む。」

千世子「邪念を払い、ネガティブな波動を吸収して石や信念を強め、精神と肉体を安定させるために、古くは戦いの護符として用いられたこともあったのだ。精神的・肉体的に乱れがちだったり、人の意見に流されやすい場合は、船の錨のような役目を果たしてくれるとされるのだ。」

亘理『頼むっていわれても……どうすればいいの?』

悠「マラカス振りながら、そ~れハッスルハッスルって踊ればいい」

亘理『なにそれ恥ずかしい』

悠「それでも全体回復するからいいだろ。昔はMP消費なしで使えたから重宝したんだぞ」

摩耶「賢者の石を手に入れるより先に覚えたら、石の出番が激減するよね。」

千世子「一方で、インドの業者は湧き上がる邪念や誘惑を払うために、カトリックでは情熱の抑制に使ったとされているのだ。その意味では、浮気がちなパートナーに持たせるのも一案かもしれないのだ。「夫婦の幸福」という暗示もあるのだ。付き合っている相手と別れたいときに身を着ければ、冷静になってしっかりとけじめをつける手助けになってくれるかもしれないのだ。ちなみに、オニクスには「頭髪の悩みを解消する」という暗示もあるのだ。以上、オニクスのじゅぎょーだったのだ。」
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