ｰ教室ｰ

毎夜行われる、浮き世離れした夜の授業。
今日も取り壊されないまま、時代から取り残された廃校で授業が始まろうとしていた。

悠「ふわふわのパンケーキぃ」

千世子「は?」

悠「ホットケーキ食いたいな」

サタン「パンケーキはどこいったのだ?」

悠「似たようなもんだろ」

摩耶「自分で焼けばいいんじゃないかな」

悠「……」

摩耶「なに、その不服そうな顔」

悠「いやー、やっぱり人に作ってもらったの食べたいじゃん?」

亘理『任された!』

悠「てめーは座ってろ!!」

亘理『なんでさ!』

悠「理解……してくれ。頼む、からっ…ぐうぅっ。」

摩耶「なんか悲壮感が出てる。」

亘理『私が出したいよ!』

悠「んふふ」

亘理『なんで笑った?ねぇ、今何で笑ったの?』

悠「わらってますん!」

亘理『どっちさ!』

悠「お前は料理はまだ早い。知育菓子から始めろ」

亘理『粉に水を垂らして混ぜるだけじゃん!』

悠「そうだよ」

亘理『えぇ…』

神姫「まぁ、失敗することはないはずよね。」

悠「……消火器は用意しとくか」

亘理『火なんか使わないでしょ!』

悠「万が一ということもある。」

千世子「どう万が一したら火が出るのだ?」

悠「あそこにやたら燃やすのが好きなのいるし」

サタン「……え?」

千世子「でも、ホットケーキぐらいなら誰が作っても失敗しない気がするのだ。」

悠「小麦粉をぶちまけて粉じん爆発」

神姫「それはもう料理云々の問題じゃないと思うわ。」

摩耶「ドジかな」

悠「ドジで済まないレベルだけどな」

亘理『でも、ぶちまけてから火をつけなきゃ平気だし』

サタン「その言い方だとぶちまけることが前提になってるのだ。」

悠「でも、最近はガス缶のガス抜きしてガスで白くなってる部屋で平然と給湯器を使ってBONNする奴だっているからな」

摩耶「平成の珍事」

神姫「ご近所は珍事では済まない参事なんだけどね。」

悠「怖いよなぁ。だから、亘理ちゃんは火を使わないようにしましょうねぇ～」

亘理『爆発なんか起こしません!』

サタン「爆発しても建物が吹っ飛ぶだけなのだ。」

冥「なにを言ってるんですナ?」
ゴゴゴッ…

悠「やべーぞ、スタンド使いだ!」

冥「使えませんナ。それよりもホットケーキ焼いてきましたナ。」

悠「やったー!でも、なんで?」

冥「廊下まで声が響いてましたナ。」

悠「なるほど、これから食べたいものがあるときは騒げばいいんだな」

神姫「みっともないからやめなさい。」